2021/06/15

メインPC、CPUのダウンクロック

  ここ10年程は何も考えずDell社の特定の製品、価格のPCを乗り換えて来た。安く買えるタイミングを狙って購入してきたし、幸いにか外れと思った製品に当たることも無かった。現在のメインPCは昨年秋に購入した2020年前期型で、CPUはコアシリーズ第10世代のIntel i7-10700(8C16T@2.91GHz)だ。先代機よりケースが2周りぐらい小さくなったのにちょっと驚かされたが、まぁ、改造する事もあるまいと思ってそこはその時は流した。如何にも安そうなケースの高級感の喪失具合もちょっと凄いが同様に流した。

 事はYoutubeでとあるジャンク系PC動画を観たことで始まった。動画は第11世代のIntel i7-11700のベンチマークに関するものだったのだが、Cinebench R20実行時にコアパッケージ温度があっさりと100℃に達してしまったことに驚いた。原因は明らかに空冷CPUクーラーの冷却能力不足で、動画主さんは直ぐにクーラーを簡易水冷型に変更していた。

 翻って、私のメインPCはどうだったか。購入直後に一通りのベンチマークは実行していたが、CPU温度は気にしていなかった。早速Open Hardware Monitorを立ち上げ、改めてCinebench R23を実行したところ、なんとベンチ開始からものの2秒も経たずにCPUパッケージ温度が98~100℃をウロチョロし始めた。クロックもいったん4.6GHz程度まで上昇するが、サーマルスロットリング(CPUコアやパッケージの温度制限)で直ぐに4.1GHzまで下がることが分かった。ちなみにCinebench R23のマルチコア時のスコアは10591だった。

 さて、現実問題としてCPUを全力で動かすシチュエーションは限られる。しかし、DAWにしても3DCGIにしても、いったん高いCPU負荷が必要な作業に入るとその状態を維持する時間は長くなりがちだ。この種のニーズは動画のエンコードが典型的だが、私の場合はエンコードする動画が短かかったり、負荷の多くをGPU(nVIDIA RTX 2070 Super)等に分散しているので余り気にならない。さりとてCPUコアやパッケージが長時間100℃近くに維持されるのはやはり気持ち悪い、っつーかかなりマズいのではないかい?

 なおサブPCである先代機(Intel i7-4790, 4C8T、2014年ごろのハズウェル・リフレッシュ世代)のパッケージ温度は外気温26℃に対してCinebench R23マルチコア計測時ですら85℃は越えず、サーマルスロットリングもTDPスロットリングも発生しなかった。つまり、絶対性能はともかく、CPUの性能が100%発揮されていることになる。CPUパワーはメインPCのそれの40%程度ともはや高いとは言えないが、メモリは32GB、nVIDIA GTX 1070カードも積んでいるので、この辺りの特長を生かした利用方法を検討中だ。ただ最大出力時のファン音はCPU、GPUともに正直かなり五月蠅い。

 さて、

ここはクーラーの変更が王道だし、せめてグリスぐらいは塗りなおしたら?、と言う意見には全く異論はない。が、正直今は金銭的やらなんやらと辛い。PCのケース寸法も電源の余裕も小さい。なのでIntelからExtreme Turing Utilityをダウンロードし、当面はこのユーティリティ上からの設定変更で逃げることとした。目標はコア及びパッケージ温度を90℃以下に維持すること。ただし90℃と言う数字にはお気持ち以上の意味は無い。ちなみにアイドル時のCPUパッケージ温度は外気温26℃時に47~50℃とやや高めだ。

 上述したように、従来のクーラーとCPUのデフォルト設定との組み合わせでは、サーマルスロットリングにより高負荷時のクロックは4.1GHz程度が上限だ。短時間ブーストもサーマルスロットリングによって効果はスポイルされる。つまりターボブーストによる能力向上は割と早い段階でつっかえている。別の言い方をするとCPUの力を発揮できない酷い実装状況だとなるのだが、この点には頓着しないと割切るしかない。真冬のフィンランドの野外ならきっとつっかえない。CPU設定の変更方針は簡単、①短時間ブーストは無効化、②CPUパッケージの最大TDPをパッケージ温度の最大値が90℃以下となるまで下げる、だ。動作クロックの最大値はTDPスロットリングで決まる出来高とすることになる。

 そんなこんなで、設定変更は最大TDPの80W(デフォルト値120W)への低減とした。最大クロックは3.7GHz(従来サーマルスロットリング時4.1GHz)と10%程度ダウンし、CPUコア及びパッケージの最大温度は86~90℃となった。暫くはこの設定で運用していく予定だ。なお、Cinebench R23のマルチコア時のスコアは9530(対従来比-10.1%)と、予想通りと言うかクロック数低下にほぼ相当する低下となった。あと何かするならば、最大負荷時のファン動作音の大きさが1ランク下がったので、現行の最大負荷時のファン回転数を上げることぐらいだろうか、でもそもそも現環境でそれできるんかね?能力-10%だけど1ランク静か、と言うのも正直悪くはないのだが。

 やっぱり低TDPは大事、それは最大性能に転嫁可能だからね。

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