2018/06/25

"BEST GUY"っつーおしい奴

 映画"Best Guy"の一部シーンの動画が、なぜかYoutubeでレコメンドされました。

 "Best Guy"とは航空自衛隊を舞台とした映画です。所謂"Top Gun"もどきに分類されるでしょう。製作は東映で、大泉撮影所の壁に製作中作品としてタイトルが表示されたりして(当時、練馬区民でした)、明らかに大作扱いでした。F-15やF-1といった自衛隊の実機映像が結構てんこ盛り、領空侵犯したソ連機に対してロシア語で警告を出すシーンあり、登場するソ連戦闘機も配備開始後間もないSu-27と、シチュエーションに対する誤魔化しが少なくていろいろと説得力がありました。

 でも、合成がどーもいけなかった。ここばかりは劇場でも失笑が起きていたのを思い出します。当時は映画にもビデオ合成が使われ始めた時期で、本先でも多く使われていたと記憶しています。 精細度が足らないというのもあるのですが、当時の手法ではどうも撮影素材のスケール感が出てしまう、模型が模型に見えてしまうのです。スクリーンで見ると違和感が半端なく凄いですよ。このため、F-15の空撮シーンはとても良いのですが、ソ連機、特に大型機のカットはお世辞にも・・・ね。

 同じく模型を使った合成でも、Su-27戦闘機の画面奥行方向の動きなどはスピーディで良い味出てるし、空撮カットとの合成も意欲的だと思うのです。そして個人的には、Su-27をちゃんと出したことも高く評価しているのです。HUDの表示も良いしね。とは言え、シナリオと時折見られるセット内撮影カットの光量不足、お前らは駄目、コクピット内カットが特にダメすぎますね。

 映画"Top Gun"では「F-5戦闘機にミグなんとかを演じさせる」ことで空撮による戦闘シーンを実現しましたが、それなりに軍事に詳しい人間にとっては残念な誤魔化し、興ざめです。また、ミサイルでミグなんとかが撃墜されるカットは当時の典型的な低予算VFXの画で更に興ざめしました。屋外で撮るんですよ、まずガラス板に模型を張り付けてですね・・・安く、それなりにリアルなんですが、意欲の欠片もないつまらない画にしかならない、と言うね。

 さてCG全盛な昨今、更に兵器の無人化も進み、この種の映画が撮られる可能性は下がる一方です。下手をすると、仏映画の"Les Chevaliers du Ciel"が空撮を駆使して作られた最後の戦闘機パイロットを描いた映画になるのでは、とすら思ったりします。監督はもちろん飛行免許持ちです。流石に撃墜シーンやパリ上空のシーンはCGや合成が多用されていますが、ミラージュ2000を中心に実際のフランス空軍機が多数でてきますよ。

 あ、これは1967年ごろに制作された同名作でした、ミラージュ違いですね。こっちが、ミラージュ2000です。

 あとオマケ。8年ぐらい前に制作されたトルコ映画"Anadolu Kartalları"の予告編です。トルコ空軍の戦闘機パイロット候補生の青春群像?を描いた映画です。

 国際演習への参加が劇中最後のイベントなので撃墜シーンはありませんが、主人公がF-16でアグレッサー(仮想敵機)を担当しての模擬空戦シーンなど、逆に実機映像を使わんでなんとするか!って内容です。また劇中では、主人公ら憧れのトルコ空軍のアクロバットチーム"Türk Yıldızları"やソロアクロバット機"Solo Türk"の飛行シーンも登場します。

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