某YouTuberさんによると、明らかに下がり始めているらしい。高騰の原因とされる事項に結構歪な感じのするものが多いので、基本的には良いことだろうね。ここでの「良い」のニュアンスは、「製品が本来の目的通り、最適化されている用途で使われる」だ。別用途でも使えるとは言っても電力効率が半端無く悪いとかって話になると、少なくとも「良くはない」でしょうよ。
さて、
価格高騰の一原因として、暗号通貨のマイニング需要による製品供給不足が良く挙げられていた。このため、マイニング機能を無効化したと言うか、マイニング用途で使用しにくいグラボも製品化されたりしたようなのだが、ものの数日でその手の小細工は突破されたとの報があった・・・まずは中華人民共和国方面から。
で、本題。中国共産党(中共)は基本的に暗号通貨がお好きではない。デジタル人民元構想とのバッティングもあるし、香港経由の資産流出経路を潰した今となっては恐らく最大の国内資産の流出口だろう。1ヵ月ほど前の某報道における中共の暗号通貨に対するスタンスは、「マイニングは許容するが、国内外を問わず取引してはいけない」つまり「資産を生み出せ、国内に貯めろ」だった。が、この1、2週間程の間にこのスタンスが大変化したらしい。
まず、ある程度見逃していた暗号通貨取引を明確に禁止、取引所を閉鎖した。マイニングも禁止とし、大規模マイニングファームへの送電も停止されて事実上の操業停止状態となっているらしい。マイニング関連のインターネット通信に関する金盾の設定も、おそらく変更されたと思われる。
一般に中国南部や人口密度の低い辺境部は電気料金が安いため、大量の電力を消費する大規模マイニングファームが多数存在していると聞く。そして真偽のほどは不明ながら、新疆ウィグル自治区もそんな感じらしい。少なくとも安い労働力、電力故にドイツや日本の大手企業の生産工場が多く進出したのは事実だ。ただ、三峡ダムの発電量低下(発電効率低下)、高品質石炭の不足(セルフ経済制裁)、原子力発電設備のトラブル(?)など、昨今の情勢を見るに電力価格的には逆風な要素が多い。実際、電力不足が噂されるようになって久しい。
私の見立てでは、おそらく中共の一部の潤っている層はマイニングは禁止したくない。でもペーさんは禁止したい、きっと良く分からないからだ。そこへ電力不足、ペーさんにとっては渡りに船である。まぁ、某メジャー暗号通貨のトランザクション(決済処理)は直近では4.2秒/1件ぐらいと耳にしたのだが、これじゃ信用はめっちゃ高いけど通貨としては機能しないよね。デジタル人民元の正体はイマイチ判然としないのだが、開口一番に挙げる利点が「トランザクションが圧倒的に早い」なので、少なくとも技術的視点から既存の暗号通貨の「通貨として欠点」をどこに見出しているかの手掛かりにはなる。信用を捨てる、信用レベルを下げるってのは近視眼に過ぎる気はするんだけどね。デジタル人民元はSWIFT体制からの独立を志向している筈だから、国家などの特定の権威による集中管理とは別の信用システムを備えなければならない。言うまでも無く、暗号通貨の信用システムは実に反権威主義的なものだ。だが、もうしそうだと中共のシステムとの相性は最悪だ。
んで、ここに来ていきなり評判が上がって来た「日の丸量子コンピューティング」が本物(real)で、デジタル人民元がそれでも暗号通貨に似たような信用システムに依拠するならば、既存の暗号通貨のマイニング需要もデジタル人民元そのものも量子コンピューティング実装開始時点でワンラ(終~了~)ですな。ワット・パー・トランザクションが高い(効率が悪い)からこそ信用とマイニング需要がある訳だし、デジタル人民元の早いトランザクションの秘密こそが取り敢えずのクラッキングの攻め所、脆弱点のひとつの可能性なのは疑いようがない。あと通貨をデジタル化すると市場の通貨流通量が調整できなくなるので、一般論として伝統的な国内向け財政政策が実質的に封印される。これ、中共として大丈夫なのかな?通貨のデジタル化「だけ」を導入した状態では、官製バブルなんて絶対演出できないよ?
閑話休題。
で、中共の実効支配地域内の大規模マイニングファームの停止は、これすなわちグラボ需要の大規模な喪失だ。これが、疑問形で提示したエントリタイトルの具体的な答えかも知れないと見ている。昨今の暗号通貨の相場の動きは、以前に増して中共の動きをよく見ている印象を受ける。
ちなみに地震でもないのに揺れる高層ビルの話が最近中国であったが、揺れ始めた原因が上層階の数フロアがマイニングファームとなったからだなんて話があった。これまた真偽不明だが、まぁ、グラボは1枚でもハイエンド品は十分重いよね。