昨夜の地震にはさすがに驚かされた。大きさもあるけれど、「さぁ寝るか」とばかりに気分のスイッチを「睡眠モード」に切り替えた直後でもあったからだ。
私の居住地は、先の大震災時では被災地と呼べるほぼ南端部にあたる。被災者証明はあっさり発行されたれたらしいし、4リットルの飲み水確保のために給水車の列に11時間並んだし(自衛隊の皆さん、あの時は有難う!)、停電は丸3日続いた。携帯電話も停電中は使えなかったが、1kmほど離れた位置の(今は無き)公衆電話は生きていて、翌日には実家と連絡がついた。食料は2日間はそれぞれパン1個づつ、1日はコンビニのそうめん弁当1個とか、なかなかにキツかった。方や、飲料水以外の水としては近所の神社の湧水が使えたのは大きかった。近所の大病院からも看護師が水の確保にやってきていた。
昨日の地震の揺れは終始ゆったりした感じだった。最初に来た揺れはまるで縦揺れっぽくなく、最初は横揺れかと思ったぐらいだ。最近の地震は直下型が多かったのだが、直下型の場合は文字通りの縦揺れがドン!と来る。「あれ?」と思ったのは揺れが収まる気配が全く無いこと、とにかく揺れ続ける。そこでやっとまだ縦揺れ段階だと気が付いた。
TVとPCディスプレイ(ともに23インチ)にそれぞれ片手づつをかけて腰を落として構えた瞬間、横揺れが始まった。後のTV放送などでは震度5弱とのことだったが、体感は震度6弱だった。まぁ、震度は定量的指標では無いからね。で、気持ち悪かったのは横揺れのゆったりした感じだった。継続時間は体感で1分弱、揺れ幅は大きいのだが揺れのゆったりさ加減に不自然な感じを受けた。先の大震災時のドッカンガッタンした揺れとは別物だった。
被害らしきものはキッチンでの調理機材の落下や本やCDの低い山が崩れるレベルで、多少「うわっ!」となったのは水洗トイレのタンクの蓋が本来の位置から3~4cmずれていたことぐらいだろうか。幸いと言うか横揺れの向きが見事に画面と垂直向きだったので、おそらく手で押さえていなくともディスプレイらは倒れなかっただろうと思う。また、ゆったりした揺れのおかげか、家具類の移動は無かった。ドッカンガッタンした揺れが発生すると、PC本体や冷蔵庫などが高確率で「歩いて」移動してしまうのだ。
ちなみにPC本体などの重い家電類は床上に敷いた防振材の上、布とエアコン以外の家電類は全て腰までの高さ以下、さらに布団から放した位置(所謂部屋の反対側ってやつだ)に置いてある。この辺りの家財のレイアウトは、やはり先の大震災の経験を反映したものとなっている。
揺れが収まった後は、部屋のドアや窓を開閉して建物自体に歪みが無いかをまず確認、キッチンでは落ちたものは脇に寄せた上で今後の揺れで落ちそうなものも床に広げ、ガスの元栓の閉と水道の圧力をチェックした。飲料用の水は3日分、その他の水も5日分以上確保しておく癖は抜けていないので、それらの状況も改めてチェックした。
そしてこれが重要、現金のチェックである。停電状態でモノを購入しようとすれば現金が必須、紙幣もあるに越したことは無いが、とにかく貨幣が必要だ。釣銭の用意も大変だから売る側も100円、500円単位での商いを好む・・・それが先の大震災でのひとつの教訓であり、実のところ未だSuicaを使うようなったぐらいと私のネット外でのキャッシュレス化が進んでいない主因となっている。
日常の商取引でのキャッシュレス化がイマイチ進まない原因として、「日本人は現金取引好き」や「規格乱立の煩わしさからの、勝ち馬選択段階」以外に、「自然災害などの極限状態化では現金勝負、かつそのような極限状態は停電だけで簡単に出来する」といった実体験を持つ人の存在もあろうかと思う。
ちなみにネット上での決済は、Amazonが未だ本屋でしかなかった時代(1998年ごろ)からクレカ直接、やや遅れてPaypal併用に早くから移行済だ。これは逆に「海外の会社からの購入にはそうするしかなかった」し「若かった」所為だったからと言える。ちなみに「カナダの会社に欧州製のDVDを注文したら、中古CDとして航空便で3日で届いた」際には、「キャッシュレス決済スゲー(ただし税関で検品されない限り)」ってなりましたね・・・って、地震からこんなところに来ちゃった。