2021/02/02

ミャンマーでの事案、「クーデター」とは未だ呼べない感の理由

 あくまで個人的な認識なので念の為。

 家族や自身の国籍の関係で肩書がやけにいびつなアウンサンスーチー氏の身柄を確保し、国家運営の実権を軍が掌握した・・・と言うのがミャンマーで現在進行形に事案なのだが、軍の行動を「クーデター」と呼ぶ報道はネットに限れば極めて少ない。「軍が国家運営を一時的に預かった状態」との認識が主流のように思われ、私個人の認識ともほぼ一致する。

  このブログでも以前に全く異なる文脈でミャンマーに触れたことがあるのだが、それは「ミャンマー国内969運動」ってやつだ。 ここでのポイントは2つ、まず仏教過激派によるムスリムやロヒンギャなどの少数民族に対する迫害はミャンマーでは以前から存在すること、そしてこの種の迫害は軍政下では軍によって抑えられていたが、民主化後は「実質的に」迫害は認められたものとなっていることだ。

 昨日のとあるニュース報道で「アウンサンスーチー氏は民族対立には有効な手を打てず」などと言っていたが、私にすれば笑止千万、軍政下でテロリストして逮捕、拘禁していた過激派(つまり迫害集団)のリーダーやメンバーを解放し、ある意味(そして結果論かもしれないが)迫害行為を実質的に合法化したのはアウンサンスーチー氏らなのは確かだからだ。故に、民族対立に対する政策に関しては、民主化直後から私はアウンサンスーチー氏を全く評価していない。むしろ、民族対立による分断状況を自身の政治基盤の安定化に利用しているのではないかと見做してきた。所詮と言うか残念ながらと言うか、彼女が庶民の味方であったことは無いというのが私の所感だ。さすがノーベル平和賞受賞者と言えよう、知らんけど。

 あと暴言を許してもらえれば、国家の上に党や特定の人物を頂く政体を「ファシズム体制」と呼ぶならば、直近の民主化後のミャンマーは紛れもなくファシズム国家であり、個人崇拝的要素も持つカルト国家に少なくとも片足を突っ込んでいる。ただ民主国家のように振る舞い続けるが故にほころびや隙は多く、純粋に圧制者であれば力で抑制可能な民族対立問題への対応もままならないという事態に陥る。国外に敵は作れないので、国内での対立を放置せざるを得ないのである。つまり、軍や国内の過激派の矛先が自分たちに向かわないように振る舞い続けてきたし、そうするしかないのだ。

 さて、本事案の発端は、軍などが国政選挙に対する不正選挙を選挙管理委員会に訴えたところ、その訴えが却下されたところにある。軍は訴えた段階で「不正選挙が認められない(=不正が行われないよう管理された再選挙の実施が認められない)場合、クーデターもオプション」と明言していたことから、今回の事案は軍の有言実行とも言える。なお、(動員の可能性も否定はしないが)再選挙を支持するデモの軍とは別に起きていたとの報道は軍の行動以前からあり、軍の独走の印象は更に薄いのが私の実感だ。

 となれば、本事案における軍の行動の正当性は、できるだけ早期に再選挙を実施し、その結果を受け入れた上で政治的実権を再選挙で生まれた政権に引き渡せるかどうか、のたった一点での判断となる。軍のこれまでの言行を信じる限りにおいては、それしか今後の展開はあり得ない。「クーデター」ではなく「軍が国家運営を一時的に預かった状態」という意味はここにある。

 あと、軍及び旧民主的政権と中国共産党との関係性についても色々な見方がネット上でも披瀝されているが、私の見方は以下の通りだ。まず 旧民主的政権は左派色が強く、かつ個人崇拝色も強いので、イデオロギー的には中国共産党との親和性は高い。そもそもミャンマーには華僑が多く経済的なプレゼンスが大きい時点で、国として中国共産党の影響から逃れるのは難しいだろう。軍も同様と言えばそうだが、軍の性として一定以上は存在するリアリストの集団の影響力、発言力が高い場合、「金や装備は貰うがイデオロギーは別」として振る舞う可能性もあり、軍全体が中国共産党になびくとは単純に考えない方が良い。個人的には、民主主義政権であった方が中国共産党にとっての実利は大きいと見る。外貨の通り道としても使えるところがミソであり、ミャンマーが海外から経済制裁を受けるような状況は望ましくない。ちょっと前までは経済制裁の実施と言えば中国への接近とワンセットだったが現在の状況はかなり違う。「中国共産党側」と言うレッテルは少なくとも現時点では中国共産党にとってもマイナス要素でしかない。故に一部の人々が主張しているように軍自体が中国共産党とねんごろであったとしても、実利の観点から「クーデター」の固定化は志向しないのではないかと考える。

 なお、私が軍首脳ならば中国共産との接近は避ける。イデオロギーが入ると路線対立の発生は不可避となり、粛軍クーデター(軍内の支配勢力が変わる軍内のクーデター)にも至りかねないからである。対立軸が左右程度なら愛国を求心力に分裂は抑制可能だが、愛国と(中国共産党お得意の)左派系グローバリズムとの対立は流血(と言うか虐殺)が避けられない。

 今後、この地域には英空母打撃軍も展開することを踏まえても、ミャンマー軍は理性的に、かつ従来の言動に従って今後行動していくことが合理的だろう。

2021/01/26

AK、更に増殖!

 ここでAKとは、カラシニコフ将軍の手になるAK-47を祖とするアサルトライフルシリーズを指すと思って頂きたい。私の記憶での現行のラインナップは、ロシア軍向けのAK-12/15と、それとは独立した輸出も想定した製品群であるAK-100シリーズだった。ちなみにYoutubeで「AK-103の2つのクローン製品を比較した動画」を昨晩観たばかりなのだが、もうね、AK-74より後のAKは、ピカティニーレールの有無ぐらいの見分けしか付かないです。

 そんな中、以前に紹介したYoutube動画シリーズ「カラシニコヴァ・ショー」に「AK-200」が登場。正直、今までのAK製品とどこが違うのか全く分かりません(T_T)

2021/01/23

岡田斗司夫さんの「Netflixオリジナルアニメがダメなのは理由があった!」

  岡田斗司夫さんがYoutube動画「Netflixオリジナルアニメがダメなのは理由があった!」内で語られた日本国内のアニメ制作業界の状況が、約1年前のエントリでの私の予想の枠内でちょっと笑った。とは言え、私の予測のベースには岡田氏が約4年前に語った内容があるから、予測時の状況認識に差が無く、かつビジネス的に妥当な展開を想定すれば、現状の見え方が似ているのは仕方無い。ただ、これは想定外事象が無く、面白い新しい展開も当然無かったと言うことにもなる。


 ポイントは、①かろうじて新しいOccupied Japan(支配下の日本、今回の岡田氏の表現で言えば奴隷または奴隷労働など)は避けられたこと、② NETFLIXのビジネス流儀自体が、NETFLIXが面白い日本製アニメ作品を手に入れられない原因となっている可能性が高いことだろう。ただ、①が実現できている原因は現場レベルのビジネス視点ではあろうけれども(肯定的意味で)かなり動物的直観も寄与した判断の積み重ねと私は解釈しており、状況自体の持続可能性は低い・・・現場の疲弊を緩和できても解消はできない。また、私が期待した「外資を利用してかつ儲けさせることはあっても、決してまつろうことのない挑戦者であり、国内業界全体の利益を念頭において動ける調整能力も持つ卓越したプロデューサーの登場」の気配は無い。まぁ、たった1年間の話しであるからして、逆にそのような人材が名指しできる状況が現時点で出来している方がどうかしていると見做すべきだろう。

 私の言う「登場して欲しいプロデューサー」に対応するような存在について、今回の動画内で岡田氏の直接の言及は無い。その代わり、「NETFLIXのアニメ班は本社と交渉し、知的所有権など扱いなどを変更させないと日本から面白いアニメ作品は手に入らないと本社を納得させるしかないのではないか」といった旨の提案をしている。ただこの提案、「まさにそれをNETFLIXの対抗馬が現れて実践、成功する」といった展開の方が熱い、見たい。が。どうもその手の動きは噂レベルですら聞かない、見ない。

 あと意識が高い(らしい)クリエーターは何人もいるのだが、志の高い(と唸らされる)クリエーターってのは本当に現れないね。

2021/01/22

中華人民共和国外交関係者の沈黙

 犯罪者引き渡し法などに関して香港が騒がしかったころ、オーストラリアの大学内でも騒ぎが続いていたという報道を観た記憶がある。恐らく新唐人テレビのYoutubeチャンネルの動画ではなかったかと思う。

 オーストラリアの大学内の騒ぎとは、香港支持派華人と半香港派華人の衝突だ。ここで華人という表現を使わせてもらってけれど、これにはさして大きな意味は無い。ただ、衝突の当事者の大部分は香港を含む中華人民共和国からの留学生だが、中国系オーストリア人も混じっていたからだ。「衝突の当事者=中国からの留学生」ではない、のニュアンスである。

 そもそもは「香港を応援しよう」という集会が大学内で開かれたことに端を発する。参加者の中心はおそらく香港からの留学生だろうが、中国系オーストラリア人も少なくなかったように感じた。英語の発音が違う、特にb、dだ。

 さて、トランプ元大統領はその退陣が近づく中で少なくない数の大統領令を発し、それらには中国共産党(中共)にとって面白くないものも含まれていた。ポンペオ国務長官の昨今の動きも中共にとってはウザいものだったろう。が、「戦狼外交」などと称された攻撃的な中共の外交姿勢がここのところ鳴りを潜めている。有り体に言えば、何も言わない。

 習近平の健康問題説自体は、独自の信じられる情報源なんか持たない私には否定も肯定もできない。ただ、もしこれまで攻撃的な言説を繰り返してきた戦狼外交の担い手らが沈黙しているならば、その理由について私なりの仮説は立てられる。「忠誠を示す相手の不在」、または「忠誠を示す相手の不透明化」だ。具体的な状況は分からない、そこまでだ。

 先に述べたオーストラリアの大学内の留学生の対立の光景をYoutube動画で観た際の印象は、「半香港派華人の(習近平体制への)忠誠心アピール合戦」だった。半香港派華人は他の半香港派華人と競っていたのではないか、と言うことだ。アピール内容は極めて内的な、別の言い方をすると極めて内輪向けのものだ。このため、アピール内容が過激化すればするほど、外部の人間からは理解不能なものとなっていく。文化大革命時の紅衛兵間でも見られたとされる、内部対立の火種ともなり得る状況の出来だ。習近平体制が個人崇拝色を強めた結果、文化大革命時と類似した状況が現れ得るのは極めて自然に思える。

 戦狼外交の担い手の発言の向かう先はいつでも中共内部である。特に支配体制のトップである。内容も、特に過激化を極めた場合は、所詮内輪の論理にしか耐えられない代物となる。ここまで来ると、戦狼外交の担い手グループは一種の「喜び組」と言って良い。また戦狼外交の担い手の大部分が外交経験の無い党官僚との話もあり、そもそも内輪の論理しか知らない人間のムーブとの印象を裏切らないバックグラウンドと言える。蛇足ながら書いておくが、つまり外交本流の官僚達ではないと言うことだ。

 戦狼外交の担い手の忠誠アピールの対象は党ではなく、指導層内の特定の人物である。静かになったとは言え戦狼外交の担い手が現時点でも同じポジションにいるならば、現在「特定の人物の不在」が出来している可能性が高い。この場合のポイントは「不在」で、「交代」や「変更」ではない。もし「交代」や「変更」があったならば、外交的に明確なシグナルがあって然るべきだからだ。そもそも、戦狼外交の担い手グループはもはやそれまでのポジションにはいられない。

 しかし一般的に、「不在」という状況は早急に是正されるべき状態である。ならば「不在」事態が演出、意図的に維持されている可能性がどうしても疑われる。この先についても思うところはあるけれども、この時点で十分に妄想レベルなので書くのはここまでとしておこう。

 何れにしても中共の外交的沈黙は気持ち悪い。戦狼外交の登場により、中共の外交レベルは3歳児レベルまでいったん退化した。反応が分かりやすい、予測できる相手は全然怖くない。ところが昨今、戦狼外交どころか全ての外交において中共は実質的に沈黙している。ホント、中共内では今何が起きているのだろうか。

続々・トリプルレッド?

 トリプルレッドとは米国において、共和党大統領、上院及び下院ともに議員数で共和党優位の状態を指す。シンボルカラーが共和党が赤、民主党が青であることに因む。

 先行するエントリをお読みの方はご存じの通り、米国大統領選をはじめとるする一連の選挙の結果を私はトリプルレッドと「直観」した。根拠なくそう思ったと言う以上でも以下でもないのだが、これまた見事に外れてしまった。

 ただ、「直観」に頼った場合に「失敗したことが無い」のが経験的事実としてあるのも実態だ。まぁ、「結果オーライ」を受け入れることに抵抗が無い性格ではあるのだが。

 ただ、まだちょっと足掻きたい、単に「直観が外れた」で済ませたくない、ってのはある。米国の状況のすっきり感の無さがそれをサポートする。もはや「気分はもう勝ち組」、勝ち組ってのは日本人のブラジル移民内で太平洋戦争の日本敗戦を受け入れなかった人々のことです。

 陰謀論的な話や1871年な話はさておいて、このYoutube動画の内容が「本当ならば」、今ワシントンD.C.で起きていること、起きるかもしれないことは私の想像力を超えている。大統領就任式が終わったのにも関わらず、州兵が更にワシントンD.C.に入ってきていると言うのだ。

 「動画のタイトルが嘘で、実際にはD.C.から出ていくところでは?」と言う考えには一理ある。が、それまで観てきた動画内の議事堂周辺で観られた大部分の兵士と装備が違うし、明らかに装備を付け始めている。透明なフェースシールドや盾は柵の外で使うことになる装備だ。う~ん。


2021/01/14

いずれにしても受け皿が必要だ

  まず最初に書いておかなければいけないことがある。私は米国人ではないが、トランプ支持者、所謂トランプ派であることだ。理由については別エントリでも触れているけれども、単純にトランプ氏の政治における具体的行動の大部分を支持し、私自身の推定も含んでの判断ながら政治思想的にも近いところを感じるからだ。「自称リベラル」の有り様が余りに本来のリベラルから遠いために現在は使いにくい言葉になってしまっているが、私もトランプ氏も(本来の意味での)リベラルであると見做している。

 一方、本エントリを書いている日本時間1/14の14:30ごろにおいて、トランプ政権第二期が生まれる見込みは全く見えない。裏で軍事オペレーションが動いているのではないか、などの推測、憶測、或いは希望的観測はそれを伺わせる情報には事欠かないものの、所謂「確認可能な事実」は無いと言って良い。ただし私は、世界中の少なくない人とそれら希望的観測を共有していることを公言しておく。他方、既に行動を公言している三リシアに関しては本エントリでは何も触れない。私は三リシアの何たるかを本質的に知らないし、米国民でもない。故に、事象の展開によっては命をかけて信じるところを守ろうとしている人達について、おいそれと無責任なことは書ける立場には無いと思うからだ。

 さて、本エントリのタイトルにもある受け皿とは、トランプを失った後のトランプ支持者の感情の受け皿のことである。それは既に顕在化した問題であり、例えばtwitterのアカウントBan祭り(垢Ban祭)、palerの閉鎖(AWS(Amazon)のサーバーの提供サービスの停止や、PalerアプリのAppストアなどからの削除)、twitterやPalerをBanされたユーザーのgabやtelegramへの大量の流れ込み、telegramアプリのAppストアからの駆除の公式な示唆なども一連の流れが挙げられよう。このtwitterの垢Ban祭りからの流れは一見、中国共産党(中共)的な言論弾圧の様相を呈しているが、もう少し細かく見ておく必要がある流れと個人的には考える。別の言い方をすると、この一連の流れは「確認可能な事実」により構成されているが故に、多少拙速であっても全体的な分析が為されるべきだと考えていると言うことだ。ただ、ちゃんとした分析そのものは誰か頭の良い人に任せたい、誰かお願い。

 では、ちゃんとしていない分析と言うか、私の所感について触れる。

 まず、twitterの垢Ban祭は早い段階から広く悪手と見做された。信用を失い、株価は落下、ビジネス的に良いところは無い。垢Banは一種の検閲との立場からは、このようなtwitterの行動はプラットフォーマーのそれとはとても言えない。つまり、「通信品位法第230条で、サービス内で発せられたサービス利用者の言説に対する訴訟などから保護される対象」と見做すことには素人目にはもはや無理がある。株主は明らかに損失を受けているので、経営者/経営判断に対する批判や訴訟が発生してもおかしくない筈だ。初期においてダメージが少ないと見做されていたFacebookもユーザー数の減少が嫌がられるなどを原因として株価を下げているし、Youtube含むGoogle、Amazon、Appleも明らかに少なくないユーザーからの信頼や忠誠(所謂ファン達)を失った。ここまでは広義に「確認可能な事実」と言って良いだろうと思う。

 では、これら所謂Big Tech企業が、そろいもそろって何故にここまでの悪手を打ったのか?ここが何とも分からない。

 ある者達は言う、「反トランプ側の力は余りに強く、Big Tech側は有無を言わさず一連の行動に出ざるを得なかった」と。この考えにはBig tech自体は悪くないといった弁解じみたニュアンスが含まれると同時に、反トランプ側の考え無し具合か余裕の無さ具合が透けて見える。逆に反トランプ側がバカではないとすれば、実はこの一連の流れが起こった2、3日がトランプ側にとって重要な日で、他は捨ててもこの日にトランプ側に所謂SNSを使わせなければ勝てる、と踏んでの行動とも考えられる。つまりトランプ側のゲームセット、すべての真実は闇の中のまま終わる。

 別の者達は言う。「Big Techは軍(≒トランプ側)により『馬鹿に見えるように』振る舞わされた」と。実際、Big Techがオーウェル的世界を何時でも実現できる可能性を持つことが、「本来ありえない形(=本来はバレないように静かにゆっくり行わなければならない)」で実際に示された。これは通信品位法230条の問題も含め、トランプ側の姿勢の妥当性を支持する「確認可能な事実」と言えるかもしれない。が、このタイミングでのこれはトランプ側に何のメリットがあるのか。また軍の介在はQを巡る陰謀論に欠かせないが、そこまで行くとやはり真実は闇の中であり、今後の展開も含めて「確認可能な事実」は全て茶番でしかないとなる。行き着く先に「(ささやかな表現ではあるが)驚くべき、予測不可能な結果」でも無ければ、この考えは成り立たない。ただ、反トランプ側が本当にバカならば話は別である。

 そしてまた別の者達は言う。「twitterの件は、『トランプ派を一網打尽にするために一か所に追い詰めろ』を半トランプ派が実行したに過ぎない」と。Twitterの垢Ban祭の後に多くのユーザーがparlerへと流れたが、 そのParlerのアカウント情報を盗むのが目的だっという考えだ。この考えは一見良い策略のようにも見えるのだが、何のことは無く、これらユーザーの情報を「秘密裏に」入手するにはTwitterユーザーに居てもらったままの方が楽な筈だ。垢Ban自体もかなり機械的に行われたのは明らかで、トランプ大統領をフォローしていて(そのまま忘れていた)ユーザーがBanされた例もあるようなのだ。なので、この考えには組しにくい。

 斯くの如く、この数日のBig Techの動きをうまく説明できる考えには未だ出会えていない。実はこの点で何か不安になってしまうのだ。エントリタイトルの如く、それがSNSと言う形態かはともかく、Big TechのSNSなどから追い出されたトランプ支持者、トランプ派にはまずは憤懣などの感情を受け入れ、議論などの場となる新たな受け皿が必要だ。だが、それがTelegramなのかGabなのか、それとも再開予定のParlerなのかは分からないし、正直どうでも良いというのが本音だ。気になるポイントは、新しい受け皿自体が「そうあるべきものとして意図的に用意されたもの」でなければ良いのだが、という一点に尽きるのだ。

2021/01/12

小柄なかなり白髪でガチで薄毛のおっさん、見知らぬ若い女性に声をかける

 要は私が20歳前後の見知らぬ女性に突如声をかけたと言うお話。

 本日は月一の東京の病院への通院日で、上野駅での電車の待ち時間を本屋などを冷やかしながらつぶしていた。そんな折、若い女性が背負う一見バイオリンケースに見えるハードケースにたまたま気づいた。色はシルバー、だが全く見たことがない形だった。

 実のところ私は大の鞄好き、特に背負いモノに目が無い。それが何かを知りたくて思わずその女性に声をかけてしまった。かなり挙動不審だったのではないかと思う。声をかけた際の相手の反応についてはここでは触れない、恥ずかしくなるので触れたくない。もう申し訳なかったと言うかなんと言うか。

 結論から言うとやはりバイオリンケースだということ、また、何のケースなのか聞かれることは多少あるとのことだった。改めて全体をさっと見せてもらい、お礼を言ってその場を離れた。

 さて、自宅に帰り早速ググったのだが、そんなケースの写真が全く見つからない。最初の形の印象は「鰹節」。背負ったときの底部の一方が尖るような形で、演奏時のバイオリンの演奏者側のような、ほぼ左右対称な曲面のアウトラインとは程遠い。非対称なデザインはかなり意図的なものだろう。

 良くあるバイオリン用ハードケースは下側にバイオリンを、アクセサリー品などを上側に収めるため、背負った際のケースの底部のラインは先に述べたバイオリンのアウトラインに沿う形としていることが多い。だがそのケースでは上側にバイオリンを、下側にアクセサリー品などの小物を収納するようになっているとのことだった。つまり、非対称部分が小物入れだ。またこのような収納位置を生かしてか、背負った際のケース上端部の横から見たアウトラインは完全に糸巻部のそれを彷彿する形となっていた。上下端とも面白い、私の記憶に無いデザイン処理に思わず唸った。うん、面白い。バイオリン本体は少し斜めに入れるのかなとか、今になって気になるところがいっぱい出てきている。もう少し良く観察しておけば良かったと残念しきりなのが現状だ。

 まぁ、それだけって言えばそれだけ何ですけどね。ちょっと寝かせてから、また調べてみましょうかねぇ・・・

2021/01/08

どうなる、USA

 昔、「十二人の怒れる男」という映画を観た。僕の中にある「アメリカ合衆国における重要な価値観の一つ」はその映画で描かれたものだ。不正が為された可能性が濃厚な大統領選選挙に対する米国司法や議会の動きは、そんな価値観と極めて矛盾する。こんなのはアメリカ合衆国とは思えない!

 予告されている演説でドナルド・トランプ大統領は何を語るのか?とある人が5chで書いていたように、実はアメリカ連合共和国(?)は爆誕済なのか?

 それと、赤い(ネクタイをした)ペンスはトランプの傍らに再び現れるのか?

 どうなるの?

2021/01/02

トランプ、やっぱり政治屋じゃない

 25歳の米国下院議員マディソン・コーソーン氏のこのスピーチ(Youtube、有志による日本語字幕入)には、明らかに「政治屋」に対する強い批判がある。言い過ぎかもしれないけど、「政治屋」は彼にとっての敵であることはもちろん、国や市民の敵、害悪足りうると彼が見做しているのは間違いないと思う。故に、彼は「政治屋」にはならない、なれない。

 左右等のあなたの政治的スタンスはさておき、彼の熱のあるスピーチに触れて欲しい。彼は共和党員ではあるが、「僕らは(自分や聴衆である君たちは)共和党員ではない、保守だよね」とまで言う。彼自身もスピーチ内容の持つリスク、例えばわざわざ敵を作る、を理解しており、具体的なリスクについても多くを口にしている。蛇足だけれでも、スピーカーは当然だが、聴衆の多くも20歳代だとも思われる。彼がいつまで共和党員であり得るかは分からないが、同世代であることに基づく支持基盤はいったん形成されると強固なものとなるだろうと思う。彼がいつまで聴衆に対して"My friends!(マイ・フレンズ!)"という呼びかけを使うか、使い続けられるかに本当に興味がある。そして今後何かを為すのか、為すのならその内容は、という点にも。

 あと、スピーカーの教養の有無というのは本当に重要だ。教養は単なる知識ではなく、血肉化されたものだ。故に、正確な理解には広範な歴史的、宗教的知識が必要であり、日常生活では特に知識として必須ではない事項も、空論とはならずに「あなたのこと」として語り、伝えることができる。彼の話からは耳が離せないし、聞いた内容について(単に「深いな」と思うところで留まるのではなく)自分のこととして色々考えさせられてしまう。日本で数年前にマスコミが持ち上げていた「若者代表」とやらとは格が違い過ぎて、なんというか、クスクス笑うぐらいの反応しかできない。

 さて、前置きはここまで。

 今朝、ドナルド・トランプ米国大統領もやっぱり「政治屋」ではない、との思いを強くした。昨年12月31日付のホワイトハウスのニュースページを読んだからだ。タイトルは"Proclamation on National Slavery and Human Trafficking Prevention Month, 2021"、「2021年全国奴隷制および人身売買防止月間に関する宣言」といったところだろうか。

 これは、大統領権限において、2021年1月を全国奴隷制および人身売買防止月間とし、関連する事案の調査、監視などの活動を連邦政府として行うという宣言だ。調査・監視の対象となりうる具体的事案やどのような人間が影響を受けるかピンとくる人もいるだろうけれども、あくまで米国内向けである点がポイントであることはあらためて確認しておきたい。つまり、結果的に中国包囲網(厳密には、中国共産党包囲網)をサポートすることになるかもしれないけれど、基本的にはそのような国際的な事案とは無関係ということだ。

 本件は、少なくともトランプ氏が大統領候補であった時代からの彼の一貫した言説内容に沿ったものに見える。2016年大統領選における「移民」ではなく「不法移民」への言及には、「不法故に搾取される移民の存在」がちゃんと含まれていたと記憶する。オポチュニティゾーンなどの政策も失業者対策としてしか語られないことが多いけれども、「搾取対策」の側面もあると私は見做している。己が信じるところを貫き通す、妥協はできないというトランプ大統領の姿勢は、「政治屋」ではありえない姿勢というか、「政治屋」になれないことの証左のようにすら見える。ハイそこのマスコミ、トランプ大統領の政策個々について歪んだ報道はやめるように。

 とは言えこの宣言、何か不可逆的な波及効果を及ぼすかな?

2020/12/31

大晦日、だらだら

 本エントリの内容は完全に個人的なもの、主観的なものである。 しかもだらだら。

 米大統領選、というか米国を含めた世界中に動きが激しく、この年末はネットでの情報漁りに時間がいくらあっても足らなかった。少なくとも時期米国大統領の就任までは状況は変わらないだろう。

 2016年の米大統領選、私はドナルド・トランプ氏の勝利を当たり前のこととして受け入れた。だが翌日に同僚と話をしていると、オフィス内の約50人の同僚のうちでトランプ氏勝利を確信していたのが私だけだったことが分かった。まぁ、私自身がトランプ贔屓であったことは認める、つまり個人的にトランプ氏の勝利を願っていたという点は否定しないという意味だ。

 とは言え、私のトランプ贔屓分を差し引いても、当時の私の目からは「アメリカ市民の多くは、グローバリズムと呼ばれる筋の悪い何かに既に疲れている」と見えていた。別の言い方をすると、「バラク・オバマ氏やブッシュJr氏はやり過ぎた、傲慢に過ぎた」と見ているのではないかという感触だった。故にトランプの勝利に何の意外性も感じなかった。が、今にしてみると、この勝利は現在のシリアスにやっかいな米国内状況の布石であると同時に、後述する「過ちを正す」チャンスを確保する最後の砦のようなものであったように見える。

 理想的で望まれたグローバリズム、すなわち多少の不具合はあっても結果的に社会的公平性を高められるような国家間経済格差の是正などの機能を内在した(主に)経済システムの確立は、公正な競争に基づくがために非社会主義的とならずを得ず、独り勝ちを許さないものになる筈だった。主に70~80年代に義務教育を受けた「真面目な」人間なら(≒左翼的価値観に沿う人間なら)、少なくとも上記のようなグローバリズムの考え方を頭っから拒絶することはできないだろう。EUの「初期の理想」とも祖語は生じないだろう。世界中の国々で分業が進み、程度の差はあれ世界中の労働者の経済格差は是正され、戦争は不要となる・・・筈だった。

 ところが21世紀を迎えたころから、グローバリズムと呼ばれる何かの正体が明らかになり始める。端的に言えば、公正であるべきルールはチート行為で反故にされ、開発路上国や大国内の特定グループの労働者は搾取され、特定グループの経済的利益に沿うと思しき戦争が多数発生した。「東南アジアからの研修生が居なければ日本の農業は成り立たない」などの当事者からの発言は、「明確な搾取」としか見えないことを理由として、「与えられた左翼的思想の影響化にあった」かつての私の正義感からすらも許されない。ここで言うグローバリズムと呼ばれる何かは、理想的で望まれたグローバリズムとは全く異なるものだ。そしてこの一種の悪行の加害者は日本にすらいるし、一企業員である以上、私自身ですら無自覚のうちに加害者となっている可能性が否定できないのはちょっと悩ましい。

 他方、所属企業自体の活動は世界的であるから、その組織の末席に居るただの傍観者でも、グローバリズムと呼ばれる何かを利己的に利用したり、更にチート行為まで重ねる国や企業の活動の一端に触れることもあった。例えば米国の某企業群は、自分たちが儲かる限りにおいて、中華人民共和国の国策会社や欧州の大企業がグローバリズムと呼ばれる何かを理由に知的所有権を不正に取り扱うことに文句ひとつ言わない。被害者はけっこう日本企業だったりする。技術提携協定の下に米国企業と共有していた情報や技術が中華人民共和国によって使われる・・・〇〇重工さん、米国経由の可能性が高い中華人民共和国への情報漏洩、いっぱい経験してるよね?

 ちなみに英国のスタンスは昔っから一風変わっていて、グローバリズムと呼ばれる何かを信じていない風があった。BREXITへ至る原因の根っこには、EUという枠組み内で膨れ上がる「グローバリズムと呼ばれる何か」の存在もあったのではないかと邪推する。英国はインテリジェンスとは切り離せないし、米国との関係性において経済と政治をきっちり分けるという真面目さもあるし、欧州からは島扱いしかされない(≒理想的なグローバリズムでの態度を欧州側が取らない)し、まぁ、色々あったんだろうけど。

 現在の私の政治的スタンスはノンポリティクスの時代を経て、20世紀末には中道左派に移行した。煩雑さを避けるため、ここで愛国的であるかどうかと政治的スタンスとは切り離しておく。「中道左派」は戦後日本人の平均的な政治的スタンスと見なされていたので、割と皆さんと同じではないかと思う。ただ私から見ると安倍晋三氏は左過ぎるし、大昔に旧成田空港反対同盟の熱田派のシンパと一晩飲み明かす機会があったが、シンパシーは全く持てなかった。

 結局何が言いたいかというと、現在の政治的スタンスでも「理想的で望まれたグローバリズム」には賛成、現在の「グローバリズムと呼ばれる何か」には反対ということだ。本来は自分の政治的スタンスこそ「リベラル」と呼びたいのだが、「自称リベラル」とは全く別物なので使えないのは本当に問題だ。

 さて、私にとって「リベラル」と呼んで差し支えなかろうと思える人物として第一に挙がるのがドナルド・トランプ氏だ。彼は「米国第一」を唱えることでグローバリズムを、いや「グローバリズムと呼ばれる何か」を否定した。2016年、彼の言葉に正直痺れた。Redditらをチェックして、米国市民にも私と似た心証や政治的スタンスを持つ人間が少なくないことを確認した。多数の戦争・紛争の抱え、サブプライムショックのダメージは未だ癒えず、中流層を中心としてどんよりとした感じがあった。裏を返せば、米国内でも搾取する者とされる者に分断が進んでいると言う感触があったと言える。オバマ・ケアは中流層いじめとさえ呼ぶ人もいた。「バラク・オバマ氏やブッシュJr氏はやり過ぎた、傲慢に過ぎた」結果、「グローバリズムと呼ばれる何か」の恩恵を受けられない人間を米国内にも増やし過ぎた、「グローバリズムと呼ばれる何か」のうさん臭さや違和感を感じる米国市民を多数生み出し始めた・・・これはドナルド・トランプ氏にとって強い追い風に私には見えた。

 2016年、ドナルド・トランプ氏は共和党から大統領候補として出馬した。違和感は無かった。「共和党左派は、民主党右派よりもよっぽどリベラルである」のは常識だったからだ。政治的スタンスの左右と所属政党がマッチする必然性は無いからだ。そしてトランプ政権が誕生した。私はトランプ大統領の4年間を、その現行一致を貫く姿勢のみだけででも、極めて高く評価する。個々の実績も凄いものだと思う。

 2020年大晦日、日本時間の午後10時に至っても次期米国大統領は決まらない。

 今日付けの産経新聞に、戦略論・国際政治学者エドワード・ルトワック氏へのインタビューからの引用が大きな文字で掲載されていた。

 「民主主義国家はいつも弱く見えるが
  歴史的に勝利を収めてきた。
  それは過ちを正してきたからだ。」

また。グローバリズムの終焉についても言及している。

 氏は以前の著作で、中国共産党での「バナナ」の勢力拡大と、それに伴う対外政策の変化を予測していたが、少なくとも2020年中にはそうはならなかった。むしろ、「戦狼外交」に代表されるような世間知らずぶりと、国内外を区別できない頭の固さを喧伝し続けている。

 ここで「バナナ」とは、米国を中心とする資本主義社会で高等教育を受け、資本主義社会の価値観を受け入れたり理解した後に帰国した指導層、或いは将来の指導層となり得る人材を指す。彼らは外観は黄色人種、思考(中身)は白人種であることから、外は黄色で中が白い「バナナ」と呼ぶそうだ。だが、習近平体制は明らかに「バナナ」を排してきているように見える。

 ちなみに私の記憶が正しければ、ルトワック氏は米国防上の重要な肩書を最近得た筈だ。ヘンリー・キッシンジャーが大嫌いな私にとってはなかなか良い展開といえる。

  あらためてドナルド・トランプ贔屓な私から一言。トランプを次期米国大統領に。そうしないと過ちを正せないよ、きっと。あと、カナダが北米大陸初の本格的な戦場にならなきゃ良いんだけどね。