2016/10/16

【のっソロ The Division】 PTSについて思う幾つかのこと(その1)

 アップデート1.4のPTS(パブリック・テスト・サーバー)もフェーズ4(ウィーク4)に入り、一部情報では月曜日にも運用が停止されるとのことだ。私の見るところ、PTSまで運用しながら開発会社Massiveの得たものはあまりに少なく、得られなかったものは多く、失ったものも多い。

  以降では個人的な思いをつらつらと書くだけだが、これまでエントリでのやや乱暴な結論などの判断の背後にあった考えは多少なりとも補完されるはずだ。まぁ、世の中こんなことを考える人もいるのね、ぐらいに流してもらえれば幸いだ。

 では始めよう。

開発会社MassiveのPTSにおけるテスターへの問いとはどのようなものだったのか?

 これはPTSの意義に関わる話だ。テスターたるプレイヤーに何をテストすることを求めたのか、フィードバックとしてどのようなものを期待したのか等とも言いかえられる。質問が適切でなければ、質問以降の全ては無駄にしかならないのがこの世の中だ。

 状況だけから言えば、Massiveの問いは単純だ。

 「こんなん作りましたけど、どうでしょう?」

 これではどんなフィードバックを期待されているのか全く分からない。またこうとしか解釈できない「エージェント・ブリーフ(テストの手引きみたいな一文)」とやらの内容に、PTSが文字通りパブリック(PC版ゲーム購入者全員対象)となったフェーズ2(ウィーク2)の初っ端からがっくりきたことを告白しておこう。

 個人的に期待していた質問は、例えば、

 「現在もプレイしているプレイヤーの立場から、さらにプレイが楽しくなるにはどうすれば良いと思いますか?」

と言った当たり障りのないものか、やや踏み込んで、

 「昔からこうしておけばこのゲームから去ったプレイヤーをもう少し引き付けられたかとも思うのですが、どうでしょう?」

ぐらいまではぶっちゃけて良かったのではないかと思う。後者は完全に商売視点の生臭い問いではあるが、ゲームのリバイブには避けて通れない、正直な問いかけとも言える。

 ただし、この後者の問いであっても状況は最初からねじれている。相当する問いは、「既にゲームから去ったプレイヤー、まさに去ろうとしているプレイヤー、去るかどうか判断しかねているプレイヤー」に対して本来されるべきだからである。そして、PTSのテストプレイヤーも「既にゲームから去ったプレイヤー、まさに去ろうとしているプレイヤー、去るかどうか判断しかねているプレイヤー」であることが理想だった筈だ。だが、実際にPTSにそんなプレイヤーがいたとしても少数派で、次々と発生するバグや公式フォーラム等の投稿内容にはうんざりしたのではないかと思う。

 ここまで書けば、私がPTSを評価していない理由がより見えてきたのではないかと思う(ここで注意して欲しいのは、リリースされるだろうアップデート1.4を私はそのまま受け入れるつもりであるということだ。私が問うているのは一貫性、論理性と過程だ。)ゲームのリバイブ、つまりプレイヤーベース再獲得という目標に対して、
  • Massiveは適切な問いかけをしなかった
  • Massiveは適切な相手に問いかけなかった
結果、
  • 大部分のテストプレイヤーは「自分にとってどうか」という観点からしかフィードバックしなかった
  • 一部のテストプレイヤーは「プレイヤーベースを取り戻すには」との観点からもフィードバックしたが、その数は少なく、テストが進むにつれて無くなっていった 
となり、極端に言えば「難しい vs. 簡単過ぎ」という本来あるべきとは違うところに議論の焦点が当たるに至る。が、それすらも複数の視点から(プレイヤーの進捗度や志向などの様々な因子を考慮した)といった深い議論とはならなかった。

加えて、
  • テストされたバージョンはバグ、グリッチが余りに多く、英語版以外では表示類すら仕上げられていなかった
  • ウィーク3でエリートNPCのダメージナーフ率をアナウンスの倍としていたようなミスがあった(Massiveはバグと呼んでいるが、明らかにミスである) 
とMassive側の不手際は目を覆わんばかりだった。

 更に、
  • アップデート1.4の発表以降は、ゲーム本体側のバグフィックス等プレイヤーの利益となるメンテナンスは一切なされていない(開発向けのモニター機能は強化されたりしている)
と、既存プレイヤーに対する目配りの無さは「終わっている」と言って良いほどの異常事態と言える。

 PTSの運用期間にどれほどのプレイヤーをコンソール版が失ったか、考えるだに恐ろしい。まぁ、セールがあったとは言え2週間ほど前ですらPC版を購入する人がいる状態だから、今後プレイヤーベースがどう転がるかは単純に理性的にあっては 予測し難い。とは言え、いったん増えたSteam経由のプレイヤーベースも、既にそれ以前と同等~より大きいペースでの純減に転じている。

 その2では「ワールドレベルティアと難易度」について触れようと思う。

6 件のコメント:

  1. >>「自分にとってどうか」という観点からしかフィードバックしなかった

    コアで純度の高いプレイヤーは4月5月でとっくに去っているために、
    大局的な意見が集まらなかったんでしょうかねぇ。
    PTSのタイミングが遅すぎます_| ̄|○

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    1. そう、煎じ詰めればそいういうタイムスケール感ですね。RedditなんかもGW辺りまでは結構面白かったですから、いろんなプレイヤーの視点が入り混じっていたのは確かにそのころまでです。

      以降はコミュニティ内でも分類(≒レッテル張り)と分裂が急速に進みます。以前のエントリで使った表現、「コミュニティのレベルは低く、一枚岩でもない」状態ですね。

      結局は開発とプレイヤーとの間の信頼感に関わる問題なのですが、後は言わずもがなでしょう。本文で触れようかどうか迷ったのですが、個人的意見として現在のコミュニティは総体としては信頼の対象とできるような存在ではありません。余りに遅いPTSを介した信頼感醸成は、Massiveがよっぽどまともであってもミッションインポッシブルだったのかもしれません。

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  2. ネットではダークゾーン否定的な人とダークゾーン肯定的な人が二分しててお互い様な感じになってますね
    アップデートでまたダークゾーンでの対人を煽る仕様になっていることからこのゲームは根本的に失敗しているのではないかと思います
    アイデア一つでやりようはあるのに開発元の考えは理解不能です

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    1. いや、理解できるのではないかと思います。小学二、三年生のいじめられっこである自分を想像してみて下さい・・・私はダークゾーン&ローグシステムは「ガキンチョの妄想」としか理解していません。ですから関わる気も無い訳ですね。言わば「ダークゾーン無意義派」、否定や肯定の対象とする価値すらないと言う立場です。

      「やりようはある」はまさにその通りだと思います。

      つまりそもそもが「ガキンチョの妄想」であっても、そこで思考を止めず、よりアイディアを展開する余地は大いにあった訳ですよね。でも、展開の部分の思考やアウトプットそのものがもの凄く貧困なのがツライ・・・「ダークゾーンの有様をも変え得る新機軸!」=>「回収アイテムハイジャック(ワイヤカット)」なんて恥ずかしげもなくさらっと言えるのは色んな意味で想像力が・・・そしてそれに乗っかれるのは・・・

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  3. 初カキコです。
    自分はPS4版でソロ地下ハード、時たま野良PTでって感じで地下ヒロイックを周回しているんですが
    現Verだとハードは報酬の旨味ゼロ、ヒロイックは確かに高ランク装備手に入るんですが
    クッソ強い敵のせいで2フェーズ回せる事は非常に稀とかなりフラストレーション溜まってます。

    Ver1.4は自分にとって有り難い措置になると思ってたんですが、どうも残念な事になったようで。
    Skillup氏の主張は見ましたが、Massiveは過去の例から締め付ける方向で調整を行うので
    出来れば緩いぐらいで留めておいて欲しかったなと。
    結局、VC使える固定PTだけが快適にプレイ出来て、他のプレイヤーが割食ってた状態からは
    そんなに変わらなそうだなあって印象です。実際にプレイして「あ、やっぱこれ野良無理だわ」って思ったら
    もうこれ以上の改善は望め無さそうなんで、辞め時かなって感じてます。

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    1. 初めまして!

      具体的には近々書くつもりですが、アップデート1.4は1.3よりも入手報酬の価値(例えば数×質)に対する難易度が下がる筈だと思っていましたので、PTSは色々と解せない結果となりました。ミッションの難易度が上げにくい方策を取りながら報酬の価値を上げたくないがために報酬自体をナーフした、と現状は解釈しています。

      もしも私の解釈が正しくて、開発会社Massiveの算段が適切ならば、チャレンジモードの報酬の価値と難易度の関係は1.3と1.4では差が出ない筈ですね。でもウィーク4のドロップ率などの設定が”バグでなければ”明らかに残念方向です。このあたりは実際にリリースされるまでどうなるかは分かりませんが。

      ただ、あくまで個人的な感触なのですが、アップデート1.4でも報酬などの観点からはプレイする価値のあるアクティビティが増える訳ではないので、プレイヤーのエクスペリエンスは本質的に変わらないのではと思っています(既にティア4をプレイしているプレイヤーにとっては他のティアは無いも同じです)。結局、表層的なアップデートに過ぎないのかなぁ。

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