2015/01/30

空間線量率の日韓比較

 福島第一原子力発電所の事故を矮小化するつもりは毛頭ないけれど、被曝量に繋がる空間線量率は事故が起きた発電所付近を除くと常識的な値の範囲にある。ちなみに私は一応原子力工学に相当する学科で卒論を書いているので、放射線に関する最低限の教育は受けている。

 ネット上で「東京での被ばく量はソウルよりも高い」などといった記述を多々目にすることがある。しかし、私の古い記憶に基づけば決してそんなことは無い筈だ。所謂「自然放射線量」は地質の影響が大きく(要は足の下の岩盤が放射性物質を含んでいるかどうかということ)、一般的には日本列島よりも大陸の方が地質的には高くなり易い。とは言え件の事故もある、ということでちょいと放射線量のリアルタイムモニタリングでググッてみた。

 このページ、タイトルは「福島事故の影響」となっているが、住民の被ばく量という観点からは総じて韓国の方が日本より高い(同等~3倍)。茨城県では短時間、ピンポイントで空間線量が上昇することがあるが、大抵は雨中、雨後である。これは煙突などから大気に放出された気体状の短半減期放射性物質の一部が雨水と共に落下するためで、原子力研究施設の多い茨城県東海村などでたまに見られる傾向だ。気体状の放射性物質だから基本的に地表面には残ったり溜まったりはしない。従って、件の事故後に見られるようになった所謂「ホットスポット(高空間線量領域)」は形成されないので念の為。

 「東京での被ばく量はソウルよりも高い」、は少なくとも現時点ではダウト。

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