「地球温温暖化」の過程では、異常な高温も異常な低温も現れる。「気候変動」との表現にはその種のニュアンスがある。
地球の年平均気温が上昇すれば「地球温温暖化」を疑うに足る必要条件は満たす。「地球温暖化」とは「気温の変動幅が相対的に狭い(気候が安定した、穏やかな)状態A」から「気温の変動幅が相対的に狭い(気候が安定した、穏やかな)状態B」への遷移過程の一つで、「年平均気温が状態Aより状態Bが高い」というに過ぎない。
裏を返すと、「地球温温暖化の進行過程は、気候が不安定な、穏やかとは言えない状態」となる。故に、最低気温は状態Aでの最低気温よりも低くなって当たり前、最低気温は状態Bでの最高気温よりも高くなって当たり前、なのだ。だから「テキサス州で-16℃とか、何が温暖化かよ!」なんて発言は、「発言者が地球温温暖化の意味を全く理解していない」こと以外の意味を持たない。この種の発言をネット上で見るたびに結構辛い。
「早く核融合発電を!それですべて解決!」的な発言も、その前後を追うとほぼ確実に辛くなる。
テキサス州で原子力発電所も停止されたとの報道があったが、それは当然だ。テキサス州はほぼ全州にわたって停電したが、これすなわち原子力発電所も停電したと言うことだ。原子力発電所の運転には「外部電源」が必要だから、運転できなくなるのは当たり前だ。原子炉が幾ら熱を発しても、ポンプを動かさなければ原子炉から熱を取り出せない。となると蒸気を作ってタービンを回し、発電することもできない。ポンプ駆動は「外部電源」の仕事だ。加えてテキサス州では水道網(上水網)も配管破断などでズタズタだと言う。ならば「外部電源」同様、先のポンプの冷却水などの水源も失っている可能性がある(非常用水プールの水も凍っていそうだ)。
「核融合炉」待望論の背景には、現行の「核分裂炉」を用いた発電システムの安全性に対する不安があることが多い。「核融合炉」の登場で「核分裂炉」が不要とできる、という論法だ。しかし「外部電源」と「原子炉=核分裂炉」の関係の図式は、「核融合炉」の運転においても現れる。現在原型炉が製作されている「トカマク型磁気閉じ込め核融合炉」の運転にも「外部電源」が必要だが、経済性を優先した大型の商用核融合炉の運転には、現在の核分裂炉1基分の発電量が「外部電源」として必要となるとされる。つまり、核融合炉の時代になっても核分裂炉は無くせない。ただ、最終的な発電量当たりの発電量や基数は減らせるだろう。
もし今すぐにでも原子力発電を辞めたいと思うなら、(離島のディーゼル発電を除いて)火力発電を辞めてしまえば良い。現行の蓄電技術では風力、水力、太陽光を用いた発電技術を総動員しても24時間安定した「外部電源」を原子力発電所に提供できないから、はなっから運転できない。そしてこれは「核融合炉」においても同じなのである。
かつて、「水素爆弾=核融合爆弾」は「原子爆弾=核分裂爆弾」よりも「クリーン」とできるだろうと考えた人々がいた。だが、実際には全然「クリーン」にはならなかった。「核融合反応」を引き起こせるような短時間・高エネルギーの供給方法は「原子爆弾=核分裂爆弾」を使う以外になかったからだ。水素爆弾の中には強力な原子爆弾が入っている以上、所謂「死の灰」の発生は避けられない。残念なことだが、各種核反応を用いた発電においても似た構造なのである。
あと、ウィルスの「毒性」と「感染力」の関係や、これら関係がウィルスの進化、変化において一定の方向(感染力↑&毒性↓)に向いて進むと信じている人が多く、そういう人の限って声も大きいというのも辛い。この辺りのメカニズムは簡単な話故に「理解できない人は本当に理解できない」ため、もはや誰も訂正しようとしない辺りも辛いし、自分ももはや訂正しようという気にもならんというのもまた辛い。ちなみにうちの母親は電話での5分ほどの説明で完全に理解したんやけどね、
0 件のコメント:
コメントを投稿