2020/11/26

続・トリプルレッド?

 以前のエントリに「トリプルレッド?」と書いたが、理由が「ピュアに直観」なので現時点でも思うところは変わらない、変わる理由が無い。ただ理性的には、「下院はブルーで直観は外れたか」ってところは既にある。そもそも米大統領選については世論など含めた実態に関する理解度が低いから、理詰めでは結果なんて予測できない。だから、頼れるのは「直観」のみとなる。「自分の感じる風の向きと大きさのみを信じる」なんて書くと、格好つけ過ぎかもしれないけれど、つまりはそういうことだ。

 あ、赤は米国共和党のシンボルカラーであり、トリプルレッドとは共和党大統領、上院及び下院ともに支配政党が共和党の状態を指す。民主党のシンボルカラーは青なので、逆パターンはトリプルブルーというこになる。

 ドナルド・トランプ大統領の本来の政治的立ち位置が私のそれに近いことは間違いなさそうだ。「本来」とわざわざ付けたのは、トランプ大統領個人の政治的信条は共和党内では明確に左派(本来のリベラルと私が信じるところ)なのだが、党内の支持母体がエバンジェリストなどの右派であるためにどうしても政権運営が右寄りとならざるを得ないのが実態だからだ。まぁだからといって、トランプ大統領が誰かの操り人間だとか、嫌々執務をこなしているという意味ではない。むしろ彼は党内ですらディール(取引)を「強いられ」つつ、彼の得意な方法を駆使して戦っていると個人的には見てきた。大統領になっちゃったんだからしょうがない。一種の戦場にあって、彼は今も生きがいを感じながら日々過ごしているのではないかと思う。トランプ大統領は「政治屋」ではないから、エスタブリッシュメント層や〇〇〇層にとっては与しやすい相手とはなり得ないだろう。

 故に、共和党内にもトランプ大統領を敵視する、対立する勢力があるのは当然だ。また後述する事案と関連してくるが、某大企業の経営者層が「愛国者(!)」かどうかはなかなか疑わしい。

 他方バイデン候補(このエントリ執筆時点では、彼は米国の法において大統領とは認められていない)は民主党主流派であるが、現在主流派自体に力が無いため、左派(トランプ大統領の言うところ極左、左派党中の左派なのだから当たらずと言えども遠からず)に支持を求めざるを得なかった。そして早い段階から他の人も述べているように、「バイデン大統領(現在はまだ候補)時代を短命に終わらせて、できるだけ早く副大統領が実権を握るシナリオが用意されている」という陰謀論じみた考えも私も持つ。バイデン候補も納得済のシナリオかもしれないとすら思う。さらに飛躍を許してもらえるならば、なんだかんだと愛国者であるサンダース氏は、そんなシナリオを受け入れることができなかったが故に大統領選候補になれなかった、とすら想像してしまう。

 時に私以上に直観的で所謂「虫の知らせ」に敏感な私の母は、先週電話で話をした際に「選挙後の米大統領暗殺が心配」という言葉を口にした。そのような展開は想像の範囲外だったし、昨今の大統領の警護レベルはケネディやレーガンの大統領時代とは全く違うのでその場は「さすがにそれは無いでしょ」と答えたものの、敵が内部にもいる場合は確かにその限りではない。私のかつての職場には「魔法の人差し指」という言葉があった。これは「嫌な上司が急階段を下りている際に背後から人差し指で強く押したところ、翌日からその上司が会社に来なくなった」なるハートウォーミングな()とある新人社員の逸話が元となったと伝わる言葉だが、まぁ、その種の「きっかけはちょっとしたことだけど、結果は大事」が起きないとは誰も言えない。特に、バイデン候補が大統領となった場合、文字通り「人差し指1本」でいろいろ致命的な事象に繋がることは想像に難くない。

 さてこの数日は、シドニー・パウエル弁護士の表での活動本格化(例えば「クラーケンを放った」り)で、米大統領選のみならず米国政界や産業界に激震?が走りまくっているように見える。キーワードは「愛国者」、当然「反愛国的不正行為」「売国者、売国奴」も同列に取り扱われるキーワードだ。ポイントは党派すら関係ないこと。不正を為したものは民主党員、共和党員、公務員、経営者、一般市民を問わず、その行為について追及されることになる。CIA、FBIも現時点では容疑者であり、カナダなどの他国も地味に巻き込みつつ事態は動いているっぽい。この1週間ほどの言行におけるシドニー・パウエル弁護士の「策士ぶり」の評判は、多くの人々の好奇心や想像力によって拡大する一方なのが現状だ。正直、パウエル弁護士絡みの動きだけでもなかなかついていけない。幸いにして米軍が割れる兆候は現時点では無いが、直近でのエスパー長官の取り扱いについては全く状況や実態が分からない。

 トランプ大統領は任期2年半にして公約をほぼ為し(1つだけ守れていないものがあった筈だが失念)、中東状態を安定化と脱軍事要素の推進(≒当事者同士の対話の機会や対話自体の正当性の確保、周囲国がエルサレムに外交拠点を置くようになったので街中で会うことぐらいは日常的に起きるようになるよね=中東の平和/対立の判断を当事者の案件化・米国は当事者間の判断に関与しないが、望ましい判断は後押しする) 、オポチュニティゾーン設置などその多くが日本には無い経済活性化・雇用対策の実施など、結果に繋がった政策は私が理解しているだけでも結構数多い。米軍駐留費の増加要求も、一種の当事者問題化(地域の平和はその受益者たるその地域の国々が当事者)と考えれば別段不思議なところはない。なお、台湾は「米国の当事者化に成功した」と見ている。そして台湾を見ているのはむしろペンス副大統領や議会であるため、日本や韓国のケースとは展開が違うように見えるのは仕方なかろう(20~30年遅れの5年ぐらいで挽回しようとしている)。私にとっては「戦争を始めなかった」大統領ではなく、「戦争に依らない地域問題解決スキームを地域に合わせて実施した」大統領である。対イラン政策は個人的には綱渡り感があってその展開が興味深かったのだが、残念ながらコロナ禍でリセットがかかってしまったのは残念だ。

 米大統領選は未だ終わらない。それどころか、米政府、州政府、政府機関などを対象とした一種の大掃除が始まったんじゃないかと見えるような状況だ。こりゃ「トリプルレッド?」どころの騒ぎじゃねーぞ。

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