久しぶりにとあるウェブページを拝見していて、INFOBARの(の部分写真)を観た。「嗚呼、俺もこれを使っていた筈だったんだよなぁ・・・」と、ちょっと遠い目になった。
INFOBARは所謂ガラケーに分類されるストレート型の携帯電話で、初代の登場は2003年、2007年(INFOBAR2)と2018年(INFOBAR xv)に新モデルが出ている。厳密には「名」と「配色」を引き継いだスマホも存在するのだが、auのINFOBAR紹介ページでは触れられてもいない。やはりINFOBARは「ストレート型ケータイ」であるべきなのだろう。
私は初代INFOBAR、2代目INFOBAR2を使った。初代INFOBARは結構売れていたようで、当時地元JRローカル線に乗っていたら、私を含む1両内の客3人が全員INFOBARを手にしていて皆で驚いた記憶がある。一回きりとは言え、ちょっと驚異的な出来事ではないかと思うし、「配色」が3台とも違ったというのも驚きだ。なんせ、用意されていた「配色」が3種なのだ。
他者がINFORBAR2を使っているのはついぞ見なかった。ちなみに2007年はiPhoneがデビューした年であり、時代の変わり目だったのは間違いない。なお私のINFORBAR2、2年も保たず挙動不審となったが既に店頭に買い換え品は無く、当時唯一の「ストレート型ケータイ」に「一時的使用のつもり」で機種変するはめとなった。2009年のことである。このケータイ(W63K)、本体価格が約9,000円、「着うた」すらも使えない「業務用」にミートした製品で、実際、私の勤める会社の一部門で文字通り「業務用の会社支給携帯電話」として大量に使われることになる。もう、単なる「ガラケー」ではなく、「贅肉のない底辺ガラケー」(悪口ではない)と呼ぶに相応しいものだった。
さて、この「底辺ガラケー」、実に頑丈だった。待ち受け時間も異様に長く、スイッチ類は操作し易くいい塩梅のクリック感があり、滑り止めの凹凸も適度で五月蠅くなく、純粋な携帯電話としては傑作だった。さらにその後のINFOBARがAndroidスマホとして登場したため、「ストレート型ケータイ」を望む私は機種変しようとも思わなかった。
そして2018年11月、念願の「ストレート型ケータイ」であるINFOBAR xvが発売された。速攻で買い替える筈だった。が、まさにそのころ私は緊急入院するはめに陥り、ケータイ変更どころの騒ぎではなくなってしまっていたのだ。
で、気が付くと2020年初春となっていた。「底辺ガラケー」はちょこちょこっとした傷はついているものの、バッテリーは元気だし、機能上の不具合も無いし、軽い。だが、使用している所謂「au 3G」サービスの2022年終了がアナウンスされ、近々の機種変は避けられなくなっていた。そして流行り病に対する緊急事態宣言発出の気配が流れ始めたころ、「底辺ガラケー」のバッテリー消費挙動が急におかしくなった。今日明日のレベルで対応要と腹を括った。
実のところ、買い替え機種にはiPhone SE2を想定していた。理由は省略するけれども、まぁ、主に健康上、と言うか病院などの利用の関係でスマホを持つ必要も無視できなくなり始めていたのだ。だが、iPhone SE2の発売はまだ先だ。
じゃぁどうするか、いや、どうしたか。
実家近所のauショップに飛び込み、「飛び込みだけど良い?」と了解を取った上で、「iPhone8かINFOBAR xvのどちらか、色は問わない。在庫があればこの場で機種変する」(ほぼママ)と要望を受付担当者に告げた。
今、私の脇に転がるスマホは白のiPhone8だ。INFOBAR xvの在庫の有無について店員は何も言わなかったが、そこには私からも触れなかった。おそらく確かなのは、「今後、私がINFOBARを使うことは無いだろう」と言うことだ。なお、INFOBAR xvに機種変したイフの世界ならば、そこには「ナスコン」配色のINFOBAR xvが転がっている筈だ。