2013/08/04

2013/08/03 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 プロ野球中継延長でラジオオンエアは結局10:55始まり。アンビエント・ドローン系音楽ショップ「murmur records」の相田悠希さんの出演部分がオンエアされなかったのは実にもったいない感じ。アンビエント・ドローン系については全くの門外漢である身としては、この種の話が聞けるだけでも貴重。語る対象に対して自覚的、真摯というのは有難いもの、「好き好き」だけでは他人に伝えられることは概して表層的だからねぇ。パーソナリティ佐野氏とのやり取りから覚えている部分をざっくり書き出すとこんな感じ。
  • 「アンビエント/(スラッシュ)ドローン」とひとくくりにされることが多いが、音楽ジャンルとしては全く別物。実のところ音楽ですらない。
  • アンビエントは「概念、考え方」、ドローンは「様式、形式」。故に並置すること自体がおかしい。
  • アンビエントは環境音楽とも呼ばれる。とあるシチュエーションで演奏していたエリック・サティは「私の音楽を聞かないで」と言ったが、そういう音楽こそまさにアンビエント。「アンビエント」という言葉は、ブライアン・イーノが導入。イーノのアルバム"Music for Airports"は実際にラガーディア空港(だったかな?)で使われた。
  • ドローンは絶えない持続音。アーチストにはギタリストも多くて、多数のエフェクターを縦列につないでコード一発で70分鳴りっぱなしとか。ホーミーとかと通じるところもあり、結構プリミティブな音楽様式では?
今時のアンビエントを聞いてみようということで、実はクリス・ワトソンのアルバムを2枚ほど買って聞いてみている。

 クリス・ワトソンは自然音を素材として録音し、設定したコンセプト或いはテーマに基づいて素材を編集することで作品化する手法を取っている。波や風の音、虫や鳥の鳴き声やはばたき音といった本当に自然由来の音、列車の車内外音といった人工物由来の環境音が素材だ。もともとBBCの音響エンジニアだった人らしいので、編集はお手のものということらしい。

 だが、少なくともクリス・ワトソンの作品はちょっと自分には合わないようだ、残念ながら。

 編集による自然由来音の異化、多数の素材それぞれの本来の文脈の分断化が人工的に過ぎるように感じられ、聞いていてつらいのだ。もともと散歩がてら街中の環境音、自然音を聞いて回る趣味があるからかもしれない。つまり、「自分の知っている自然音」との乖離の方が気になって仕方がないということだ。クリス・ワトソンの作品を聞いていると、一瞬一瞬だけれども不協和音を大音量で聞かされたようなどうしようもない違和感に襲われてしまう。要は聞く態度ができていないということなのだが、これはもはや習い性みたいなもので如何ともし難い。まぁ、"The Bee Symphony"はクラシカルの一種と思えば無問題。なんて書いていると、近所の湧水の音をまた聞きにいきたくなっちゃったなぁ。

 完全な脱線だけど、かの大震災のあとの4日程は電気も水も無く、車もほとんど走っていなかった。夜8時も過ぎると陽も暮れて真っ暗である。運転中の自動販売機はとてもうるさいから、近所をふらつくだけでも周囲から聞こえる音は新鮮だった。まぁ、実際のところは空腹でそれどころではなかったんですけどね。

 文脈は省くけど、相田さんは「電子音はかなわない」という発言をされた。個人的にはあくまで条件付きで同意だ。

 シンセの音は、ただしプリセット音ではなくてユーザーによって作られた音は、主体的に生み出された人工音であり、文脈無しでは存在し得ないし、存在する意味がない。そういう音は大事にしたいし、勝ち負けとは別次元で価値のある音だと思うのだ。

2013/08/03

近況、七度。

  • 体調は幸いにしてとても安定しているが、目覚めが中途半端に早くイマイチ睡眠時間が短い。会社でシンセ「π」の波形生成ロジックに関する根拠なき閃きあり、こそこそとExcelで波形を計算してみる。あんまり見かけない波形が結構出てくるのは面白いが、シンセの音は波形だけじゃ決まらないからねぇ。
  • 3DCGソフトウェアLightwave3Dのリハビリ開始。秋頃には再開したいな。
  • スポンサーである関連会社の人と雑談。どうも自分らのグループ会社は競合他社と比べて「相変らず営業が弱い」という結論に至る。とは言え、「営業が強い」から会社も強いって訳じゃないところが難しい。
    某社の某分野は「営業、広報が強く」、大型受注案件や大型投資に関する広報活動も適切で、株価は高めを維持している。が、その後の進展をトレースすると、受注案件のスケジュールが致命的なトラブルで遅延してたり、投資回収に必要な案件の受注に失敗したりと、自分の会社では願い下げな状況が意外に多い。当然、この手のネガティブ情報はあまり表沙汰にはならないから、株価の下振れ要因にはなかなかならない。
    まぁ、今時の米国流会社経営という観点からは某社の方法は正しい。片や私の所属する会社の体制は、上層部こそ米国流だが、私の関連する事業分野は専門性の高さが原因でその直下の階層の権限が他事業分野と較べてはるかに強い。しかも今後の主戦場は欧州の可能性が高い。なかなか米国流とはならないだろうなぁ。
    ちなみに研究開発分野の体制は前時代的なまでに官僚的で、創造性に対する理解がない。最低だ。

2013/07/28

"Bizarre Love Triangle / feat. Megpoid Eng."ギブアップ

 エントリタイトル通り、とにかくギブアップ、今はこれが精一杯。

 クリプトンがボーカロイドエディタ"Piapro Studio"を開発しているけど、ま、これは本家エディタの使いにくさ、より正確には編集・調整という手間に関するコストパフォーマンスの悪さ、へのひとつの回答だろうと思う。

 フォルマント調整にどこまで踏み込むのかは注目点、ここは本家エディタの鬼門のひとつだ。「ジェンダーファクター」とかもっともらしい呼び方をしているけれども、それは「フォルマントの自動調整技術が無いからパラメータにして誤魔化しただけだろう」というのが従来からの個人的見解だ。


2013/07/27 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 アクセスログを確認すると、タグ「電磁マシマシ」を定期的にチェックされている方が若干1名ほどおられるようです。有難うございます。ただ、感想の投稿は日曜日の午前中となりますので、午後からチェックされるのが吉かと思いますデス。

 さて。

 最初のゲストは電子楽器博物館の原田直樹さんと楽器屋さんでは入手できないシンセの数々、貴重回ですよ。「もうシンセはソフトシンセ(つまりPC上)だけにしよう」とのかつての決意がグラつくに十分な内容。ちなみに私の半田付の腕は4級ぐらいかなぁ…一応職業的実験屋だから。

 まず紹介されたシンセはフランス(らしい)のMutable InstrumentsのAnushri、Shruthi、Ambika。これらは基本的に組立キット(基盤、部品だけ。ケースはオプション)での販売で、購入したのはいいものの部品が足りなかったり壊れていたりとなかなか大変だったとのこと。半田付の腕だけじゃ挑めないってことですな。サイトを確認して頂ければ分かる通り、これらシンセの名前はインド由来っぽい。実際、"sh"、"ri"なんかのアルファベット綴りは、ヒンドゥー教の神々や神話での登場人物の名前で良く使われます、"Krishna"とか"Vishnu"とかね。音についてはしっかり太くて良い意味で「普通」だが、フィルタの効き具合などからは「こだわり感」がビシビシ。スペック表から想像できる最高のシンセを期待してもハズさないのでは?、と思わずにはいられない。

 最大の衝撃はチェコ共和国Standuinoのπ(パイ)。残念がらもはや売れ切れなのだが、その振る舞いを知ってしまうとどうしても欲しくなる。ドローン(単音で変化の無い長い音)系シンセは個人的には範疇外なのだが、ランダマイザーとパッチとの組み合わせから生み出される音はおそらく予測不可能、音自体よりも有り様が素晴らしい一品。触っていれば「π」という名前の意味も分かるのでは、という淡い期待もしてみたくなる。昔同じ「π」というタイトルの映画があって、ユダヤ数秘術と円周率との組み合わせにトンデモない秘密が隠されているという内容だったが、一脈通じるところもあるような。


 後半のゲストは「ゆかどち」。いやぁ、アレで良いですよ、前のめったまま行けるところまで行って欲しいと心から思いますよ。次の展開を期待してマス。

「宇宙戦艦ヤマト2199」Vol.6まで来ましたな

 流通量の大幅減は明らか、TV放送も始めてしまった今となっては映像ソフトパッケージなんて売れないだろうという判断はおそらく妥当。TV放映開始も当初の想定よりも早かったのではないかとも思う。送り手側が賞味期限切れと判断したとなればコンテンツが余りに哀れだ。もしそうなら、「送り手側にも賞味期限切れ、乃至はそもそも作品作りに取り組む能力が無かった、という認識も同時に持てよ」と声を大にして言いたい。

 当ブログのアクセスログに残る検索キーワードも、最近は「ヤマト2199 おもしろくない」「ヤマト2199 つまらない」「ヤマト2199 ひどい」となかなか容赦ない。

 さて、まずは訂正。ガミラス帝国にとって「バラン」は豪快に辺境だったことが判明。あはは、ゲシュタムジャンプでも本星まで30日とか。「ゲシュタムの門」ネットワークは弾力性が低いようですなぁ…あと「コスモなんとか」が有るようです、名前からは波動砲よりもヤバそうな代物に思えます。

 で、Vol.5までは結構真面目に観てたんだけど、本ヴォリュームの4話は心底キツくて、ツッこむ気も完全に失せてしまったのよ、実際んとこ。こんな展開だと最初から分かってたらトレースなんてしなかった、この期におよんで自分に腹が立ってしまう。

 ご都合主義を超えて、本4話はもはや「全く面白くないコメディ」だ。これは演出とか表層的なレベルの話じゃない、物語の論理的構造と作品の有様の問題だ。各話のタイトルの選択も元ネタの手垢の付き具合が半端じゃなくてうまくない感じ。また作画レベルが時折下がるのも悪い兆候、作品がもはや作り手に愛されていない可能性を感じさせてしまいます。

 本ヴォリュームは充分に事故、いや事件ですよ。

2013/07/21

2013/07/20 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 KORGの商品企画・坂巻匡彦さん、開発・高橋達也さん、KORG特集ではお約束の山口愛実さんを迎えての「KORG Volca特集」。

 "Volca"はシーケンサ機能を持ったアナログシンセ(一部PCMサンプリング音源搭載)で、ベースシンセの"Volca Bass"、ドラムマシーンの"Volca Beats"及びコードやメロディ演奏用の"Volca Keys"の3種類。スタジオには4セット、合計12台が用意され、全台同期演奏可能状態という事前情報もあって色々と期待していたのですが…

 坂巻さん、高橋さんのやり取りからは、"Volca"シリーズ開発時の状況の大変さだけでなく一種のユルさも覗えて面白かったのだが(「喫煙所始まり」とか良いじゃないですか)、後半に進むにつれて…なんとも期待していたのとは全く違う展開に。「ユルさの中にちらちら見えるプロの凄さ」みたいところが覗えることが多いのが 私にとっての「電磁マシマシ」という番組の面白さであり期待しているところ。今回ばかりは展開上そういうものが欠けてしまって不完全燃焼感が残っちゃったねぇ…ゲストの坂巻さん、高橋さん、そして"Volca"シリーズには全く非が無いだけに困っちゃうなぁ。

Gyaoで映画「WINDS OF GOD」(1995)を改めて観る

 やはり個々人の「映画の観方、読み方」が何気に露わになりそうな映画。

 明らかに舞台上のセットでの撮影、窓外があからさまに書き割りなセットでの撮影、ラストの漫才シーンに代表されるロケーション撮影などと、冒頭の「WINDS OF GOD」を上演しているという劇場のカットとの関連性をどう捉えるか…解釈は解釈に過ぎないし、語られる物語自体の価値には影響しないものの、元々舞台劇であったものを映画にすることの意味合いには個人差が出てしまうだろう。

 何かが変わってしまったことの映像表現には少なくと二つ方法がある。ひとつは、変わったものを変えてしまうこと、もう一つは変わったもの以外を全て変えてしまうこと。カメラが切り取った映像の主体を誰とするかが一つのキーだ。

 『映画「WINDS OF GOD」』は「構造」だけでもけっこう味わい深く、他人の「読み方」がどうしようもなく気になるのだ。

 零戦の色が地上と空中で違うとか、特攻機なのにドロップタンク付けてるとかは「それらをちゃんとできない(そういう事に感度が無い、他人が同じことをやっても気づかないか気にしない)人達」が作ったんだから、と納得しましょう。決して笑いどころではありません。出来ん人は出来んのですよ。

2013/07/20

すまんがそいつは腹が立つ

 スパムメールなんて無視すれば良いだけなのだが、仕事で疲れきった状態ではスパムメールのつまらんタイトルに異様に腹が立つことがある。もちろん内容なんて見ない。

 タイトル:ニートやってて悪いですか!?

腹立ちポイントは"!"が付けてあること、疑問の文体で末尾を"?"だけにしないという姿勢だけで十分カチンとくる。良いとか悪いとかそんな高尚なレベルの話じゃないよ、ニートやってる暇があるなら働け。

で、いわゆる"Night Crawlers"。何時観てもなごむねぇ…癒しのUMA。

2013/07/19

近況、六度。

  • 病状は安定でしばらく出社拒否なし、投薬も変更なし。来週は気の重い出張が2件入っていて、ちょっとばかりブルー、気の重さの原因は自分にはないんだけどね。
  • 頭部のMRI検査。脳は20歳代前半並みということで、医者も唸っちゃう「脳が実年齢より20歳ばかり若い」という事実。自分の経験から「人間、歳を取ると逆に無邪気になるもんだ」という感想を持っていたが、辺りを見回すと他人はそうそうそういう訳でもないみたい。どうも脳年齢の影響は無視できないやな感じ。無邪気になるためのポイントは「自分の無能さ加減の直視」かと思う。不要なプライドやこだわりを積極的に抽出、意図的に捨てることで身も心も思考も軽くなる。考えたことは人に話すのが間違いなく吉だが、話すときこそ頭をフル回転させよう。
  • フランク・ウィルチェックの「物質のすべては光」を再読中。いよいよ「質量の起源」に関する記述に突入。今度こそ内容をちゃんと「理解」せねば!頑張れ、俺の脳。
  • とある報道によると、ここ3年間(訂正:2005年以降、が正しいそうです。)の中露軍合同演習の費用は全て中国が出してるとか。また、国内向けに「ロシアからスホーイ35(ロシア軍ですら配備機数が限られている最新鋭戦闘機)を100機購入を契約」と報道しながら、この件に関するネット上の一般人による言及は完全に検閲中とか、もちろんロシアは公式に否定。輸出したスホーイ27がコピーされた上にコピー品を「中国開発機」と主張されてしまった件もあり、ロシアが中国を警戒するのも最もな話。中国(と言うか中国共産党)の意図が全く見えない恐ろしさ、「でっかい北朝鮮化」なんて上手いのかどうか分からない陰口もあったりする。
  • 暴動が頻発している新疆ウィグル自治区には人民解放軍と武装警察隊を合わせて10万人投入したという報道もあり、「中国という国を喰い物にする中国共産党」のイメージがいや増す展開。新華社通信がこの辺りについて何も報道しないってことが何気に凄い。地方政府から「自殺禁止令」が出されたってあたりに「どうしようない感」を禁じえない。単純に思うのは、「今日的に中国共産党は充分にイスラムの敵」なんじゃないの?、と。
  • 余り報道されていないみたいだけど、イスラエルは国費を投入して国内のパレスチナ人の教育レベルの向上を目指すとともに、人材と呼べるパレスチナ人は積極的に国立研究機関で採用している事実。政治参加にはまだ敷居が高いとは言え、パレスチナ人の社会進出と国力向上は切り離せないとする方向性(加えて国防費が圧縮できればなお良し)は政府閣僚の発言でも裏打ちされている。
  • ちなみにイスラエル国内で製作されたアニメーション映画は3本だけなそうな。1本目はストップモーションの人形アニメ(らしい)、2本目はFlashを使った「戦場でワルツを」。
  • 遠方のいつもの友人から「3DCGはもうやらないの?」の問い。これまではモデリングプロジェクトしかやってこなかったが、今後はムービー作成まで含めたプロジェクトへと軸足を移すのが基本的スタンスだ。いったんとりかかれば2~3年はかかるやもしれぬ故、始めるとなるとそれなりに覚悟が要るのよ。今は、「複数あるプロジェクト案を絞り込むための試作」を色々やっている段階。
  • 塩漬け状態だったVocaloid3 Megpoid Wisperの初テスト。まだ曲中のセリフというか語りはありません。歌詞の「トゥインクルスター」と「エンディングスタート」は鬼門で、「ス」の音が上手く出ないか、「ス」の音が出る代わりにその前の音が出ないかの二者択一状態。どうでもよいところは良い塩梅にどうでもよく処理してしまうのがボーカロイドの仕様のミソだが、局所的に突き詰めようとするとUTAUの方が上だったりするのは如何なものか。Vocaloid Editorは何回使っても使い勝手の悪さばかり目立つ。音程によるフォルマント変化が激しいのも辛い。
    バックトラックは耳コピ60%ぐらいで残りは印象で組んだ3種類、チップチューン風に落とす前の適当なやつ、CASIO HT-700ポップキーボード(の私の記憶における音)をシミュレートしたやつ、及びYAMAHA FB-01音源モジュール(の私の記憶における音)をシミュレートしたやつといったところ。適当なやつが一番音の切れが良い気がするのは気のせいですか?こと音楽に関してはとことん突き放した方が後で聞いても耐えられる方向に寄り易い感じ、きっとセンスが無いのな。あ、楽曲の"Dear Radio"は「電磁マシマシ」のエンディングテーマ曲でやんす。

2013/07/16

"Bizarre Love Triangle / feat. Megpoid Eng."の顛末:補足

 言わば正調版。邪道を先にやってしまうことで、逆に正調版の座りどころが自分の中に見つかると言う変な展開。フォルマントが変に変わるところを直しきれていないことと、ミックス時にバスドラ入れ忘れてる(自分でも訳分からんよ)のでVer. 0.8。ボーカルのレベルが高めのままなのもVer. 0.8。さすがに"KORG M1"(もちろんVSTi)の"Hit"を剥き身のままでは使えませんなぁ…やっぱ今では恥しい音色ですね。