2025/06/01

Questyle QCC Dongle Proを試す

追記:6/29に死亡 

 先行するエントリではオーディオオカルトに浸かっている感もぬぐえない記述もしたが、まぁ、ならばaptX Losslessをとっとと使ってみて感想の一つも書かないと無責任のそしりは免れられまい。他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス。

 Questyle QCC Dongle Proは5/30に発売されたUSB-C接続bluetoothトランスミッターで、aptX Losslessをサポートしているということで早速入手した。聴く側は用意万端で、Fiio BTR17と2つのaptX LosslessをサポートするTWSを既に持っている。一つのTWSに至っては購入は2年近く前であり、我乍らかつてのaptX Losslessへの期待の大きさを再認識せざるを得ない。ちなみにNothing Phone(3) ProがaptX Losslessをサポートしたと耳にしたが、Nothing EarがaptX系コーデックをサポートしていないのは微妙な気分になる。

 さて、Questyle QCC Dongle ProはちゃんとaptX Losslessをサポートしている。写真を見れば分かるように、BTR17のディスプレイにはaptX Lossless接続を表す「aptX-LS」の文字が表示されている。対してAndroidタブレット画面上のQuestyleアプリでは、オーディオコーデックとしてaptX Adaptiveが選択されている。が、「表示▽」をタップすると現れる詳細設定画面で「低遅延」ではなく「高音質」を選んでおくと、「必要な条件が満たされれば自動的にLosslessで接続される」ようになる。これについてはアプリ中にも製品添付のマニュアルにも説明がなく、輸入代理店のプレスリリースを読んで知った。アプリ中の文章もマニュアルも適宜改訂されるだろう。ちなみに写真下端付近に見える赤いRED付きの小さな箱がQuestyle QCC Dongle Proだ。

 

 aptX LosslessをサポートしたUSB-C接続bluetoothトランスミッターには先行製品があるが、私が持っている製品は「接続機器内部でのオーディオ処理のサンプリング周波数が44.1kHzでなければaptX Losslessが使えない」と制限がきつかった。昨今のAndroidタブレットならば48KHzや96kHzがデフォルトであることが多いから、実質的に使えないと言って良い。対してQuestyle QCC Dongle Proにその種の制限は無い。加えて使用するコーデックはアプリ操作だけで簡単に切り替えられる。つまり、ヘッドホンやイヤホンを装着したまま切り替えられので、コーデック間の聴き比べが実にし易い。

 さて様々なコーデックを聞き比べた主観的な結果は以下の通り。

  • aptX LosslessとLDAC(990kbps)とは良い意味で違いが分からん。
  • aptX HDとLDACでは人により好みが分かれるかも。聴いた機器においてはaptX HDの音の方が好みだが、そもそもサポートしている機器が少ないのでaptX HDについて一般性ある言及は無理だよねぇ・・・
  • aptXの音のスカスカぶり(厚みの無さ)が良く分かった。モダンaptXやLDACと比べるべくもない。Questyle QCC Dongle ProがサポートしていないのでAACとの聞き比べはしていない。
  • Questyle QCC Dongle Proでは、aptX Losslessの方がLDACよりも電子レンジのノイズに対して接続が切れにくい(途切れないとは言っていない)。

 最後にQuestyle QCC Dongle Proはオススメかと言うと・・・トランスミッター側でLDACが使えない環境ならば結構オススメかな、と。要はiPhoneやiPadでLDACやモダンaptXを使いたいなら約¥1万の悪くない選択肢かと・・・AACしか使わないのに他のコーデックをサポートした高価なTWSを買うのは意味ねぇなぁって話デス。まぁ、ドライバー(音を出すハードウェア)の違いも価格差になる訳ですが。

2025/04/27

Nothing EarとCMF by Nothing Buds Pro 2、それぞれのイマイチ

  外出時のデフォルトのイヤホン型TWSはTechnics EAH-AZ100で、基本はLDAC接続でしか使いませんよ、が前提なので念のため。

 さて、この2年程は¥1~2万円級でもそれなりの音のTWSが入手できるようになった。個人的な解釈は、ドライバーの性能向上に加えて装着感や密閉感に直に影響するイヤホンの形状がこなれてきたため、音を「好みのもの」にイコライザで調整してしまえばかなりどうとでもなるようになったと言うものだ。再生周波数特性においてハーマンカーブが本当にベストと言えるかは分からないが、リスナーにまず提供する特性の一つのリファレンスであることは現状のところ疑えない。とは言え高額TWSは概してハードウェアであるところのドライバーが良い訳で、ハードウェア自体の「上限の性能」と価格とは切り離せない。半面、「望む音、理想の音」から一歩引いて「好みの音」が得られれば十分とするならば、結局のところ使い易さや接続性の良さなどの音質以外の要素から普段使い品が選ばれることだって当たり前にあるだろう。

 ざっくり Nothing Earは¥2万、CMF by Nothing Buds Pro 2は¥1万だ。どちらか1本を選べと言われれば、私なら条件付きで後者を選ぶ。条件はシンプルで、別途¥3.5~4万級も購入を考えよう、というものだ。これは「高額品を追加購入しなければならない」という意味ではなく、まずTWSを使おうと思うならCMF by Nothing Buds Pro 2は良いリファレンスとなるので、これを基準に色々と比べたり調べたりしてみようというものだ。ただし、後述するように装着感ばかりはどうしようもないのでそこは別扱いだ。

 で、個人的にBuds Pro 2をお勧めする理由をまとめると、以下の通りとなる。

  • LDACが使え、かつ接続の安定性が高い。Technics EAH-AZ100では時折ブチブチといった音が聴こえるレベルで接続が不安定となる環境下(特急電車の隣の席でPCとスマホをBluetoothでテザリングされるとか)でも、安定した接続が維持できることなどざら。なので列車移動時間の長い旅行時や出張時にはEAH-AZ100と2本持ちとする場合が多くなっている。
  • インイヤー検出(イヤホンを耳から外すと再生停止、付け直すと再生再開)といった昨今では当たり前の機能をちゃんと備えている。
  • ケースで音量、再生・停止、曲送りなどができる。個人的には重宝しており、これら操作機能は大きな魅力だ。
  • 悪くないノイズキャンセリング性能。

 まぁドライバーは値段相応で、ちょっと低域は嘘っぽい音ではある。Nothing Earではこのあたりはかなりマシだが、それまでと言えばそれまでというところが弱いとも言える。嘘が無いのでドライバー自体の音が少しスカスカした感じになる楽曲もある。とは言え、ドライバー自体の素性は良いので、イコライザを用いての音の弄りがいはあるし、実のところ聞き疲れした記憶がないのは結構凄いことかもしれない。ただ、Nothing Earにはとてつもない問題がある(個体の特性かも知れないが、知らんけど)。

  • ノイズキャンセリングの強度やモードを変えると、再生周波数特性ががらっと変わる。強度「高」を基準とすると、他の設定では低域が相対的に弱くなる。

この点に気づいた時には本当に驚いた、理由(ワケ)分からん。あと、操作スイッチがタッチセンサではなくカチカチと音を立てるつまんで使う形式の物理スイッチなのは悪くないが、個人的にはスイッチの押し込み圧が弱く、誤操作が多くなりがちだ。プラスチッキーなクリアパーツを多用したデザインはNothingの特長だが、安っぽく感じる人も多かろうとは思う。

 まぁ使った上ではっきりと言っておかなければいけないと思う点は、「Nothing EarとCMF by Nothing Buds Pro 2は別系統の製品であり、どちらかが上位、下位といった関係性はない」と言うことだ。当然と言えば当然なのだが。

 最後にタイトルとは全く関係ないTechnics製品の装着感の話。EAH-AZシリーズはイヤーピースだけでなく耳の窪み部も使ってイヤホンを支えるデザインだ(いわゆるコンチャフィットデザインってやつね)。EAH-AZ100はすんなりイヤホンが固定されて長時間付けていても抵抗ないのだが、EAH-AZ80は5分もすると右耳だけ痛くなる。事程左様に装着感はちょっとしたイヤホンのデザイン変更で変わり得る訳だ。音はEAH-AZ80の方が好きなだけに悩ましいところではある。ではイヤーピースだけで支えるNothing Earなどではその辺どうかと言うと、別途購入済みの「自分の耳の形や寸法に最も合うイヤピース」のストック品を使うので製品ごとの装着感はほぼ変わらない。