エントリタイトルで「その1」をうたってはいますが、「その2」以降があるかは未確定。あくまで、DAW触り始めのVocaloid3ユーザーに有益と思える事項に出会った際に適宜上げていきます。ラベル(タグ)は「超初心者」です。
PiaproStudioは使い易いが、細かな発声タイミング調整はバウンス(Waveファイルに書き出し)してから直接編集した方が絶対効率が良い。使っている人ならご存知の通り、Cubase7にはVariAudioというモノフォニック音源(ボーカルなどの単音音源)のピッチ(音程)とタイミングを調整するツールがある。他のDAWでも同じ機能を持つツールがありますな。
今回の話は、「Vocalodの発声タイミングがVariAudioでイマイチ上手く調整しきれない」という人に今一度チェックしてみて欲しいポイントだ。
下図はPiaproStudioで編集したVocaloid音声をいったんバウンスしてから、VariAudioに読み込んで少しいじったところ。赤、或いは黒(選択されている状態)の長方形が音声のピッチ(縦方向)と開始及び終了時刻(横方向)を表している。読み込んだ波形の発音は「Making music(メイキング・ミュージック)」だ。今回のポイントは、波形を見ると黒色の長方形の右端よりも右側(時間的には後)に小さいピークがあること。これはこのピークに対応した音をVariAudioが「ピッチがない」と判定したということを表している。だが、このピークに対応した音の発声タイミングは結構重要なのだ。
具体的に「ピッチがない」と判定された音は「ミュージック」の「ク」、或いは「ミュージッ」の「ッ」だ。上図から分かるように、バウンスした波形データでは「ッ」の発声タイミング(波形上の小さなピーク)が143小説2拍目(143.2)よりやや遅れている。この差が聞いた時の違和感、或いは自分の思い描くボーカル音声像との差の原因となり得る。実際、そうなっていた訳だ。
じゃあVariAudio上で「ッ」のタイミングが変えられないかと言うと、そんなことはない。「ッ」は「ピッチがないと判定された」だけであって、あくまで黒い長方形で表されている音節の一部だ。だから、黒い長方形の右端をちょっと動かしてやれば、下図のように「ッ」に対応した波形のピーク位置を望む位置に合わせられる。
VariAudioによる発声タイミングの調整は長方形の両端の左右移動で行うが、結局のところ調整後の発声タイミングは波形を見なければ分からない。発声タイミングをクォンタイズしたいからといって、長方形の両端位置を単純にクォンタイズしても駄目だということだ。
VariAudioによってVocaloid音声の発声タイミング調整をする場合は、あくまで波形を見ながら調節しよう。また、「ピッチがない」とVariAudioが判定した音についても、タイミング調整ができることを忘れないでおこう。