Amazonポイントアップキャンペーンと、とあるメモリの価格

【追記(20250923)：結局のところ、値上げ前後にそれぞれ32GB×２を購入したことになりました。】 

 　現在のメインPCのCPUは、第10世代Intel Coreである。メインPCは5年程度で更新し続けてきたが、病気やったりと色々あって今回ばかりは更新どころではなかった。加えて、第13、14世代CoreでのIntelのやらかしもあって、長期にわたり「時期が悪いおじさん（爺さん）」を拗らせている。だが、ちょっとしたアップグレードぐらいはしてみたい。

　と言う訳で、メモリ増設ですよ。と言うか、DIMM自体を交換してメモリを32GBから最低でも64GBに倍増しましょうよ、と言う訳で、「安い！」と思ったDDR4 32GB DIMM×2をAmazonでぽちったのが昨晩の話。大抵の作業でメモリ32GBは十分な量なのだが、いやはや、生成系AIとかローカルでいじりだすと話が変わる。

　物理メモリからあふれたデータは仮想メモリに書き出されるが、起動ドライブであるSSDに大量かつ何度も繰り返してデータが書き込まれる様子はモニターしていて精神的衛生上実にうまくない。そういう訳で、現状の使い方ではメインPCには幾らメモリが乗っていても良いのである。実際に新規購入したDIMMを試すのは明日になろうが、 もし動作に問題が無ければ同製品を追加購入してメモリ容量128GBを目指すのも悪くない、とすら思っている。なんたってこのメモリ、「安い！」のである、少なくとも昨晩は。

　さて、Amazonは本日9:00からポイントアップキャンペーンを始めた。と、追加購入を考えていたメモリの価格が１．５倍になった。これではキャンペーンポイント込みでも「安い！」とは言えない。実質的な値上げに他ならない。

　まあね、Amazonの価格なんてそんなもんだから。よくぞ昨晩のうちにぽちったものだと、自分で自分を今ほめている。なんかぴきーんって来たのよなぁ・・・

大抵のボカロPはDAW使いである（んじゃねーかな）

 　とあるネット上の記事と言うか評論家とやらのコラムと言うかで、（元）ボカロPが昨今のヒットメーカーの多くを占めるとした上で、その原因を考察していた。何か色々と書いてあったが、ボカロに比重を置く考察にそうじゃない感が凄かった。個人的には「大抵の（元ボカロPは）自分の作りたいものをDAWを介して出力することが当たり前」であり、そのための「ノウハウを蓄積している、ワークフローを確立している」で十分説明できると思う。加えるならば、ボカロPのすそ野は広く母集団が大きいので、そりゃヒットメーカーもそりゃそりゃ出て来るでしょうよ、ともなる。

　作詞、作曲、編曲、ミキシング、マスタリング、ボーカルやアコースティック楽器の録音といった、音源の納入に先行する全ての過程はDAWで完結し得る。となれば、出来上がりのイメージをまず持ち、製作過程でそのアップデートを続け、かつその時点での出来上がりのイメージに寄せていくノウハウを持つ音楽クリエーターにとって、DAWは最適と言って良い楽曲作成ツールだ。かつボカロの活用にDAWは必須だ。すなわち優れたボカロＰがDAW使用にも長けるのは必然だ。

　出来上がった楽曲はクリエーターのセンスをダイレクトに反映する。上述したように「作詞・作曲・編曲（時にジャケット＆ロゴデザイン・作画）」がクレジットされる音楽クリエーターは今や当たり前となり、自らボーカルを担当することも珍しくなくなった。またとあるアーティスト／音楽クリエーターは、自曲を解説する動画配信内で「ここでいったん転調してまた直ぐ転調して調（キー）が戻っているよね。音楽理論は詳しくないので具体的に説明できないけど」との旨を語り、視聴者から具体的な調（キー）を教えてもらったりしていた。これはそのアーチスト／音楽クリエーターの感性や快感則、或いは記憶や楽器の演奏技術・経験などに裏付けされたセンス／ノウハウに基づいて転調が為されたことを示唆しているように見える。「大抵のボカロPはDAW使いである」の一文で解決、数ページ使ってのもっともらしい考察は不要かと思う。敢えて加えるならば「そもそもボカロPの競争は厳しい」ことぐらいだろうか。ボカロPと呼ばれるようになれた時点で、当人は何らかの一線を既に越えている、頭一つ以上跳び抜けている。

　MIDIシーケンサーがコモディティ化し、PC（と言ってもNEC PC-9801シリーズ）用のMIDIシーケンサーアプリケーションが普及し始めたころ、細野晴臣氏は「楽器の演奏技術が無い人間でも音楽ができるようになるメリット」を歓迎しつつも、同時に「音楽をやらなくてもいい人が音楽をやることが引き起こすデメリット」にも言及したと記憶している。デメリットの一つは粗製乱造あたりだろうかと思う。上記のDAWの話は一見この話と似ているが、音楽の流通環境の違いが話を完全基本的に別物としている（とは言え、8ビットバージョンと称するカバー曲がオリジナルのリリース直後にリリースされる状況はある）。現在は様々な流通チャンネルがあり、出来の悪い楽曲でも一時的にプールしたり、取り合えず聞き放題サービスの再生リストに加えるぐらいの余裕が現在の流通機構そのものにある。他方、DAWは小学生でも使え、スタジオ使用無しでの楽曲製作を可能とした。才能や優れたセンスが発見されるまでの時間的余裕は長くなり、未来のヒットメーカー候補の母集団は大きくなり、楽曲製作のコストは大幅に下がった。

　暴論覚悟で新ためて言ってしまおう。現在はボカロの使用のためにDAW使いとなったアーチスト／音楽クリエーターの上澄みが活躍しているタイミングなのだ。キーはあくまでDAW、ボカロはDAW使いを生む重要な一つのきっかけに過ぎない。だから、「（元）ボカロPが昨今のヒットメーカーの多くを占める」ように見えるならば、それはそのように見ているからに過ぎないということだ。