"Nadège(ナデージュ)"は1990年代に少なくとも6枚はアルバムをリリースしたフレンチポップユニットで、今だにお気に入りだ。クラブサウンド寄りと言って良いだろう作りのトラックと、透明感のあるボーカルの組み合わせは、オリジナル曲、カバー曲問わず、私にとってはどの楽曲もユニークで魅力的であり続けている。1枚ジャケ買いしたら大当たり・・・そんなユニットだ。
引っ越しやら震災やら病気やらをきっかけに、時には泣く泣く、多くのCDを処分してきた(2000年ごろは1000枚以上所有していたが、今は100枚未満だ)。そんな中、"Nadège"のアルバムのCDで当時入手したものは写真の様に現在も全て手元にある(元喫煙者の所有物故のジャケットの汚れが恥ずかしいので、写真はモノクロに加工させてもらった)。なおiTunes導入時に所有していたが現時点で所有していないCDは、データのみライブラリに加えられたのち全て灰と化した(筈である)・・・私の住む自治体ではCDは可燃ごみなのですよ。
さて、
Nadègeの楽曲は、お洒落どうこうではなくて、トラック、ボーカル共から感じる繊細さ(みたいな何か)が聴いていて本当に気持ち良いのだ。アルバムとして聴くのが良いのだ。「アルバムをアルバムとして聴く」ことが当たり前だった時代の最終期に、或いは20世紀末に聴いていたユニットのひとつ、と言える。
そして1999年リリースのアルバム"Saveurs"を最後に、私のレコード/CDコレクションに"Nadège"の楽曲が追加されることは無く、当然、iTunesにも追加された楽曲は無い・・・と言うか、つい1時間ほど前まで無かった。
きっかけはiPodとPC上のライブラリとの同期作業だった。現行のメイン使用機の容量は128MBだが、いよいよ容量自体が厳しくなってきた。そこで転送する楽曲を減らそうとiTunesライブラリの内容をチェックしていたところ、よりにもよってアルバム"Saveurs"がiTunesライブラリに追加されていないことに気付いた。CDは持っているからあっさりとライブラリへのインポートはできたのだが、余りにあっさりだったため、何か時間が余った感じになってしまった。
と言うような何ともない流れで、何の気無しに、何も期待せず、iTunesストアで"Nadège"を検索してみたところ・・・怪しい楽曲がヒットした。iTunesストアを利用するようになってから約15年間、何度か検索しつつも無かったことだ。
"Nadège"は
2018年に活動をリブートしていた、19年ぶりと言う。しかも和製ユニットだったって言うね、おフランスのユニットだとばっかり思ってましたよ。
さて、新譜"pas a pas"(正確には"pas à pas"かな?困ったことにiTunesストアでは"pss a pas"と曲名が間違っている)は全4曲中2曲がセルフカバーだ。上記したように「私が怪しいと感じた」原因は、カバー曲のタイトルを私が知っていたからに他ならない。
さて新譜を聴いてみて驚いたのは、19年の時を挟みながらボーカルに違和感が無い、紛れも無く"Nadège"だ、と言うところだ。対してトラックはかなり大人しくなっている。作りに感じる繊細さは変わらないものの、かつては時折感じさせられた「粗削りなようなちょっと飛ばし過ぎなような」凸凹感は全くと言って良いほど無い。まぁ19年経ってますから、ね。
新譜収録の"Syrah"はセルフカバーだ。
で、こちらが1997年のオリジナルの"Syrah"。