2013/09/30

「初音ミクV3 ENGLISH」ってば:補足

 先のエントリで、「初音ミクV3 ENGLISH」、「Megpoid ENGLISH」及び「SONiKA + V3 Vocaloid Engine」の周波数分布特性について触れたけれども、実のところ自分の耳に基づく見解だった。耳には結構自信があるから不安などは感じないものの、やっぱりちゃんと一度定量的に確認しておいた方が良い。という訳で、3つの英語ボーカロイドの同じ英語フレーズ(同じvsqxファイル)の周波数分布を調べてみた。使用したアプリは"Sound Engine FREE"、これは優れモノですよ。

 実際に周波数スペクトルの時間変化を見ても、結論は変わらなかった。赤~オレンジが音声を特徴付ける周波数成分。一番下が音程を決める周波数、下から2つ目より上がフォルマント周波数だ。

 Megpoid Eng.は音程を決める周波数より下の周波数成分が他と較べて低く、こもったような「もこもこ感」が出にくいのは明らか。またMegpoid Eng.とミクV3 Eng.の500~1kHzの中周波数成分の有無の違いは明確だ。「ミクV3では中周波数域をイコライザーで持ち上げても全然美味しくない」のはそもそもその周波数領域がスカスカだからだということが良く分かるねぇ。

 にしても、V3 Editorは何時まで待てばバグフリーになるのかねぇ…

2013/09/29

iOS7.0.2 + iPod touch

 iPod touch(5th Gen)のiOSを7.0.2(11A501)にアップデートした。先に書いておくと、もう1台のiPod touchはまだアップデートしようとはとても思えない。

 実は7.0時代には書き忘れていた不具合があった。縦向きで曲を再生中に本体を横向きにするとカバーフロー相当のアルバムジャケットのタイル表示となるが、7.0時代にはその画面上に再生中の曲の画面が重なって表示されてしまい、アルバムが選べなかった。まぁ、本来これは不具合なんてレベルの話ではないだろう、ベータ版じゃないんだから。

 わざわざ上記の不具合に触れたのは、もちろんiOS7.0.2では解消されているからだ。

 それにしても、ミュージックのアイコンや文字、記号で使われている赤色は別の色に変更できんもんだろうかのぉ…何時見ても気持ち悪いわぁ。

追記(2013/9/30)
アルバムジャケットのタイル表示となるが、7.0時代にはその画面上に再生中の曲の画面が重なって表示されてしまい、アルバムが選べなかった。
おそらく縮小のジェスチャーでアルバム選択ができるようになったのだろう。その時はそこまで気が回らなかったんだけど。

「初音ミクV3 ENGLISH」ってば

 ボーカロイド製品のアクティベーションでは専用サーバーへの接続が必要だ。

 聞くところによると昨日はそのサーバーが高負荷で落ちちゃったんだそうだ。凄いもんだね「初音ミク」は…とか書きつつも、実は私もサーバーダウンの影響を受けた一人。おそらくサーバー復旧前後に何回かアクティベートに挑んだタイミングだったようで、4回ほどネット接続エラーでアクティベーションに失敗。成功するまでに迷惑メールが11件届いちゃったよ、あ、俺のPCちゃんとネットに繋がってるじゃん、あははって感じ。

 これで一気に「初音ミク楽曲の質が向上」なんてことが「もし」起ってしまった場合、その原因分析はちょっと面白いですよ。はたして原因は「初音ミクV3」の出来の良さなのか、それともMacもサポートしたことなのか、とか。大げさに言えば、林檎使いは窓使いよりも本当にセンスが良いのかっつー話にけりがが付くかも知れんよ、ということですよ。俺みたいな元熱狂的林檎使い(SYSTEM6まで)はどっちですか?

 で、知ってる人は知ってるように、俺は基本的に「ボーカロイドはウィスパー系以外は英語バージョンしか買わないよ」という人、ということは裏を返せば「初音ミクV3 ENGLISH」は買っちゃう可能性はある訳で、ハイハイもちろん買いましたよ、と。アクティベーションの件はそういうことです。

 んで、「初音ミクV3 ENGLISH」はどうなのよ、という話なんだが、なんだかなぁ…。自分の中のベンチマークは"VOCALOID2 SONiKA+V3 Voacloid Engine"で、こいつは余裕で超えてもらわないといかんのだけれども、ん~。

 滑舌は明らかに「Megpoid Eng. > 初音ミクV3 Eng.≧ SONiKA+V3 Engine」、これはフォルマント特性とも無関係じゃない。

 "Megpoid Eng."はとにかく声がひっくり返ることが多くて難渋するが、これまで触った限りは"初音ミクV3 Eng."はほとんどひっくり返らない。と言うか、"初音ミクV3 Eng."(そしておそらく「初音ミク」自体)が「声が裏返りっぱなし」なのだろうと。なので編集しててもなかなか味が出ないと言うか、1時間も聞いているともう勘弁というか、触る度に使う気が失せるというか、少なくとも触ってても面白くはないことと、意外に「初音ミク楽曲」では声質自体がいじられてきていないのだなということを身をもって知った次第。

 周波数の話をすると、"VOCALOID2 SONiKA"自体は30Hz以下の低周波数成分が多く、かつ2kHz以上の高周波数成分が少ないので、全体としてもこもこした印象になる。低周波数成分はイコライザーで削れば良いのだが、中周波数成分とのバランスを取るために高周波数成分をイコライザーで持ち上げると音質が全体としてどうしてノイジーになり、さらに音自体が痩せてしまう。結果、「もこもこ」か「(痩せて)スカスカ」かの二者択一とならざるを得ない。"Megpoid Eng."は中~高周波数成分ともに多めで、強めにイコライザーを利かせても音が痩せにくく、声質が変わらない範囲で落とし所を見つけ易い。周波数成分分布は"Megpoid Eng."が実際の人声により近いので、人声を使う場合のノウハウがかなり活用できる。

 "初音ミクV3 Eng."は低、中周波数域ともに低く、もともとからして「痩せた」音だ。確かにこれはいじり代がない。破綻しにくいという意味では使い易いのかもしれないが、引き出しが一個しかないようなもの、というのも如何なものか。

 "VOCALOID2 SONiKA"でも、「もこもこ」と「スカスカ」を重ねて使うという奥の手が実はある。それぞれの音量とリバーブのカットオフ周波数域の設定によっては格段に聞き易い音質になるよ。

 ちなみに"初音ミクV3 Eng."で中周波数域だけ豪快に持ち上げると、個人的には何を言っているのか分からなくなる。要は重要なフォルマント成分が高周波数寄りにあるということだろう。「声が裏返りっぱなし」というのはそういうことだ。おそらく、Skypeとか通しても何を言っているのか分からなくなるんじゃなかろうか。

2013/09/25

"ENOLA GAY/OMD"ボーカロイド用試作オケ

 "Megpoid Eng."の購入を決めた際、カバーなりコピーなりしたい曲が4曲ほどあった。1曲目はすでに最初のバージョンをフィックスした"New Order"の"Bizarre Love Triangle"、そして2曲目が"OMD (Orchestral Manoeuvres in the Dark)"の"Enola Gay(1980)"だ。

 "Enola Gay"は女性の名前で、広島に原爆を投下したB-29爆撃機の愛称だ。歌詞には原爆が爆発した時間である8時15分や、広島型原爆の愛称である"Little Boy"などが散りばめられている。この曲の邦題は「エノラ・ゲイの悲劇」だが、個人的には色々思うところもあって酷い邦題という思いがぬぐえない。

 さて、試作オケだが、いつもの如く音数を節約した劣化版コピーだ。

 ベースには"SynthMaster2.6"を早速投入、さすがにまだスクラッチからの音作りはできないのでイメージに近いプリセット音を選んでフィルタ周りを中心にパラメータをいじり回った。各レイヤーで使えるエフェクター"Ensemble.(アンサンブル)"が結構強力で、少し音を広げたい(ステレオ感を付加したい)場合に実に重宝する。ドラム以外の他の音色3つは「1980年代FM音源シンセのプリセット丸出しみたいな音」という具合にイメージが明確だったので、全て"Z3TA+2"でスクラッチから作った。

 昔の自作MIDIデータも再利用し、おかげで先の連休のうちのほぼ一日で楽曲データ自体は完成した。まぁ、歌メロをボーカロイドで置き換える段階で音色、音量バランスや定位は見直さないといけないだろうけどね。

2013/09/23

iOS7 + iPod touch:補足

 少し他の人のiOS7 + iPod touchrレビューを調べてみると、自分のiPod touchでは見られない不具合も起きているようだ。ちなみに私のiPod touchはいわゆる第5世代64GB(MD718J/A)、iOSバージョンは7.0(11A465)だ。

 不具合と言うのは、「ミュージックビデオを画面縦向きで再生した場合にビデオの縦横比がおかしくなる場合がある、再生中に画面を横向きにすると『アルバムジャケットがタイル状に並べられた画面(iOS6でのカバーフロー画面相当)』になる」というもの。

 私のiPod touchでは上記の不具合は発生しない。

 その代わり、ミュージックビデオは画面の向きに関係なく画面横向きでしか再生されない。つまり、画面を縦にした状態(この時点では画面は縦向きに即した表示である)で再生を開始してもビデオは画面横向きで再生され、本体の向きを変えても(表示の上下方向は適切に入れ替わるが)画面は横向きにしか使われない。

 う~ん

半沢直樹、最終回

 良かったです。う~ん、何が良かったかは極々普通だから別に書かんでも良いでしょう。

 ただ、取締役会での半沢の「東京中央銀行の現状について」の語りは私の持つ「半沢像」らしくないというか、違和感が凄すぎた。ああいうところがスパっと抜けてる感じがこれまで良い塩梅だったのだが、最終回、しかも取締役会でアレはないだろうって気がする。ラストカットにも違和感、出向辞令を聞いての半沢の表情の変化は私の持つ「半沢像」と全くなじまない。

 とはいえ、ラストカットは漠然と撮られたものでは無い筈だ。あの表情の変化が示唆する「半沢のその時の有様や周囲状況の認識」、そこに出向の理由の一端があるのかも知れない。

 半沢も私を含む視聴者の多くも、事の全体像が実は見えていないってことかな?

SynthMaster 2.6、こいつは楽しい

 昨日の「電磁マシマシ」のゲスト、生方則孝さんから紹介のあったトルコのソフトシンセ"KV331 Audio SynthMaster 2.6"が楽し過ぎ。

 「電磁マシマシ」の音声だけ流しながらさっそく評価版をダウンロード、1時間程いじってから迷わず購入した次第。万人に勧められるかと言えば疑問だが、「Cakewalk PsynⅡが大好きだったけど後継のZ3TA+、Z3TA+2がなんか物足りない」、というピンポイントな人には手放しでお勧めする。30個のフリーVSTiプラグインをチェックする暇があるなら…買っちゃえ!

 ファーストインプレッションというか、思ったことをこちょっとだけ。
  • 音作りのフローはオーソドックス。Z3TA+シリーズの音作り経験があれば取扱説明書は不要。ただし、パラメータは多いよ。

  • 購入したのはStandard版、3×50種の追加プリセット込みで$129也。プリセットを追加しないFactory版は$99だが、音作りを学ぶ一番の早道は気に入ったプリセット音の分析に尽きる。Kraftwerk、冨田勲、Wendy Carlosが使った音色を再現したプリセットを中心に追加した。


  • 2オシレータ×2レイヤーなので4オシレータ?と見せて各オシレータの上流にはモジュレータがある。Z3TA+シリーズは6オシレータだけど、上流側のオシレータをモジュレータとして2オシレータ1組で全て使うと3オシレータ相当。基本波形の編集パラメータの多さはZ3TA+2の侮れない強みなのだが、SynthMaster2ではモジュレーション(PM、FM)だけでなく単一のオシレータで私の大好きな加算合成が使える。Z3TA+2で正攻法の加算合成に挑むとオシレータが幾つあっても足りないんだよねぇ。
    ユニゾン機能も強力だ。

  • フィルタのある種のエグさは生方さんの言葉の通り。シンセをいじらない人はフィルタと聞いてもピンとこないと思うけど、実のところグラフィックイコライザーの親戚と言って良い。グラフィックイコライザーは例えば低音域を強調したい時とかに使うけど、フィルターは低音域なり高音域なりをほぼ鳴らなくするものだ。
    シンセのフィルターにしかない特徴は「レゾナンス(共振)を許容するどころか、その効果もパラメータで制御する」こと。レゾナンス成分は元々の波形に含まれていない音だから、グラフィックイコライザーでは絶対発生させちゃいけない。歴史的には「共振しちゃう安いフィルター素子を使ったら面白い音が出せるシンセが生まれた」みたいな背景もあったようなので、フィルター素子の特性がシミュレート可能な機能の登場は必然だったのかもしれない。フィルターのパラメータだけセーブできる機能は、云わば「自分が設計したフィルター」をストックできるみたいなものだよね。

  • 2、3時間調べただけだけど、追加プリセットのパラメータ設定は本当に勉強になる。特に重要なのはCPU負荷を上げずに欲しい音を作るテクニックだ。追加プリセットは作成者毎にグルーピングされているので、作成者毎にパラメータを調べれば癖なりテクニックなりも見えてくる。
    とても驚いたのは「FM音源で作られた音」の再現にFM変調を使っていない場合が多々あること。これは「FM変調後の波形が既に用意されているから」という話じゃない。ソフトシンセは音色製作ツールであって「音色生成過程のシミュレータではない」ということなのだろう。
    何かちょっと目が覚めた感じ、こいつはちょっと厳しい一撃だよなぁ。

iOS7 + iPod touch

 もはやiPod touchなしの日常は考えられなくなっていて、2台を交互に使っている。2台所有しているのは故障対策だが、かの大震災時に懐中電灯代わりに使えた経験によるところも大きい。マグライトも持ってはいたし、充電型電池も備蓄していたけど、家中の物の上下関係がひっくり返った状態では少なくとも初日は手元にある物しか使えなかった。

 さて、iPhone5Sなどの発売に合わせてiOSがバージョンアップされた。iPod touchは音楽プレーヤーとしてしか使っていないから、AudioBusの不具合とかは気にしなくても良い。と言う訳で、まず1台だけ何も考えずにiOS7にアップデートした。アップデート自体はスムースに終了した。

 なるほど、アイコンなどはフラットなデザインとなり、フォントも細くなった。スワイプ操作の応答も結構変わったが、一通りの操作の確認は1時間ほどで終わった。音楽プレーヤーとして使う限りはiOS7へのアップデートは不具合の原因とはならないようだ。

 ただし、デザインの変更でひとつ気に入らないところがある。「見た目」という意味でのインターフェースデザインの変更は、「フォントをカラフルにせざるを得ない」という副作用を引き起こしたようだ。

 iOS6などでは、「シャッフル(再生)」や「リピート(再生)」などの状態は記号ないしアイコンとして表示されていた。国内企業のデジカメなどで「イナズマ」を模したアイコンが「フラッシュ」を表すとか、そういう類の表示と同様だった。が、iOS7ではこの種のアイコン表示をほぼ一掃した。代わりに文字、つまり単語で表示される。問題はこれらの文字が薔薇を彷彿させるような「赤色」ということだ。実はiOSをアップデートしたiPod touchは「青色」である。

 一部の文字や記号の「赤色」と、iPod touch本体の「青色」の相性の悪さは半端ない。気持ち悪いくらいのセンスのない配色ではないかと思う。この「赤色」が変更できないか少し触ってみたが、未だ変更できるかどうかすら分からない。思えばiOS6の文字、記号の配色はグレースケールを基本とし、色味と言えるのはややパステル寄りのオレンジ色ぐらいだった。このオレンジ色の自己主張振りは絶妙で、iPod本体の色とは干渉しなかった。今にして思えば、「オレンジ色のiPod touchがあればなぁ」などと考えていたのはiOS6などが「オレンジ色」を使用していたからかもしれない。フォントが細くなったことも、フォントの色味を強くしなければならない原因となったと想像してしまう。

 使い勝手に不満はない。変なメニューの階層構造も仕様と思って受け入れよう。が、あの「赤色」だけは頂けない、頂けないなぁ。

2013/09/22

2013/09/21 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 冒頭はiOS7話。これはこれで面白かったんだけど、如何せんゲストのお話が面白過ぎ。シンセ好きにはたまらない、何物にも代えがたい濃厚過ぎる貴重回。

 こんなことが起きるから「電磁マシマシ」は逃せない。

 ゲストは生方則孝さん。語られるエピソードひとつひとつが面白いだけでなく。とにかく話自体が面白い。個人的には福田裕彦さんとのユニット「生福(しょうふく)」で出したCD「内容のない音楽会」にシビれたクチ。「うまかろう君」とか「カシオペア風軍艦マーチ」とかジャケットが迷路だったとか、あぁ懐かしい。最初に「なまふく」と読んじゃったというのも痛いながら懐かしい思い出。

 現在はフランス在住で、肩書的にはフリーのサウンドデザイナー兼テルミン奏者とのこと。

 日本を飛び出すことになったきっかけもちょっと「日本的」ではない。多くのCM曲(♪三井のリハウス~とか)を手がけてきたが、手がけたとあるCM曲が当人に何の話もなく新録音され、更にこだわりのハーモニーが改変された。で、最初は穏当に抗議していたのだが、最後には本人曰く「大企業様とケンカした」、つまり損害賠償請求したということらしい。裁判自体は和解で解決したのだが、まぁ、日本の業界では干されるだろうと。う~む。

 印象に残った話題と感想をちょっとだけ。
  • 海外には「懲罰的損害賠償」というのがある。例えば企業から「年収の1割」に相当する被害を受けた場合、「企業の年度収益の1割」が請求できるというもの。額じゃなくて比率であることろが胆。確かにこれがあると米国企業が弁護士いっぱい雇ってるのも当然って感じがするよね。
  • フランスの会社は「一匹狼共同組合」で、休み時間も自由。で、フランスで会社人生活を経験してみたんだけど、「決まった時間に決まった場所に居るという状態が心身ともに負担」になっちゃう性分らしく、「1年3ヶ月でやめちゃいましたけどね」とのこと。
  • トルコのソフトシンセ"SynthMaster"が凄いとのことで、理由を聞いて納得。基本波形の数も多いのだが、まずフィルター特性を無段階で変えられる、さらに特定のデシベル域を意図的に歪ませられる、ということらしい。
    実はこれは凄い。
    実際、Cakewalk Z3TA+→Z3TA+2のフィルタ特性の変化に未だなじめていない自分の現実を前にすると、フィルタ特性はシンセのクセなり個性の重要因子であることは明らか。生方さんは「クセを作れるシンセ」と表現されてたけれど、裏を返すと「個性の無いシンセ」とも言える訳で、シンセの言わば宿命のひとつから逃れてる訳でやっぱり凄い。
    坂本龍一さんも購入したらしい。
    SynthMasterによるヴィンテージシンセの完コピ演奏がSoundcloud上で聞けますよ。
  • アナログシンセMini Moogは音が太いと言われているが、原因はミスでオシレータ出力とフィルタのインピーダンスが合ってないからだそうだ。結果として何が起きるかというと、フィルタが特定のデシベル域が歪んでしまい、レゾナンスを上げても音が痩せないということらしい。つまりクリーンなフィルタ特性では出ない音が太さや個性の秘密ということ。そりゃ「Cakewalk Z3TA+2と私の腕の組み合わせ」如きではあの音は作れませんわ。
  • あ、Lady Gagaのライブバンドのメンバーのシンセ音色もやってるそうな。
  • 世界テルミンフェスティバルとかあるそうな、チリで開催されたりしたそうな。
あとドドンゴとか…

2013/09/21

「アホちゃうか」と言われた話

 食料品を車で買い出した帰り、他の車のドライバーに「アホちゃうか」と言われる。腹は立たないが、ちょっと凹む。かくも人間は分かりあえないか。

 私の主観ではあるが、顛末は以下の通りだ。
  • 信号待ちで車列の中で停車中、反対車線に右折車がいた。方道一車線の道路だから、当然反対車線はつまってしまった。私の車の後ろ半分くらいは、公共施設の入口にかかっていた。この入口の幅は道路より広い。
  • 私の前の車が前進、前との車間をつめて、私の車との間に間隙を作った。件の右折車はその後も動かないので、後方に車間があること、私が前進すれば公共施設の入口のど真ん中に右折車が通過可能な車間が確保できることを確認して前進した。
  • ところが、私が前進した直後に件の右折車が前進を開始、急ブレーキ停車した。結局、右折車は私の車の後方を通って右折したのだが、私の車の脇を抜ける際に「アホちゃうか」と吐き捨てた。
向こう側にどういう言い分があるかは分からないが、こっちの良い分はこうだ。
  • 公共施設や商業施設の入口の前で停車する場合は、反対車線に右折車がいないか確認している。件の右折車は私が「あの車は右折しない」と判断した後にウィンカーを出した。いわゆるサンデードライバーに多いのだが、ブレーキで減速、或いはほとんど止まってからウィンカーを出すのは如何なものか。もし件の車のドライバーが私を見ていれば、ウィンカーを出した瞬間に私が点を仰ぐ姿が見えたはずだし、あと2、3秒早くウィンカーを出してくれていれば右折に必要な車間を取って停止できた。
  • 私の前の車が前進してから、件の右折車は3秒以上反応がなかった。故に、右折車ドライバーが右折に必要な車間がないと判断したと推定し、後方の状況をバックミラーとサイドミラーで確認した。驚いたことに私の後方の原付は私の前の車との車間よりも広い車間を取って停止していた。更に、後方車間位置は公共施設の入口のほぼど真ん中である。
    なぜ件の右折車は、私の前の車が前進してから6秒以上(後方の確認に+2秒、前進に+2秒)も反応しなかったのか、更に私の車の後ろの車間を最初から右折で利用しようとしなかったのか。
申し訳ないが、右折車のドライバーの注意散漫、怠慢としか思えない。「アホちゃうか」という捨て台詞を残すという反応は、自分でもその辺りに気付いての後ろめたさの裏返しではなかったか。

 私の生まれた地域では、下手に「アホちゃうか」とか言おうものなら相手にガラス破片を口に押し込まれてタコ殴りされても文句は言えない。一瞬幼少期の血が騒いだけれども、「アホ」という表現の重みは地域によって全く違うんだよなぁ。

ちょいと驚く

 文脈ははしょるけど、某ニュースTV番組を観ていてコメンテーターの言葉に驚くとともに耳を疑った。

 「『知らないこと』が罪だと思いました。」

 そんなの当たり前だろう。やっと入口まで来ましたね。

2013/09/18

"Bizarre Love Triangle / feat. Megpoid Eng."アゲイン

 先の三連休は台風のせいもあった外出のしようもなかったが、加えて身体が気圧低下に負けてぐったり。3DCGモデリングのリハビリは一向に進まず、いったんギブアップした"Bizarre Love Triangle / feat. Megpoid Eng."をちょいと見直すことに。一から組むのは大変だが、パラメータをちょくちょくいじるのならぐったり状態でもなんとかなる。

 今回は、Cubase+Vocaloid初心者ユーザー向けの覚書きです。

 前回のギブアップの主因は不自然なフォルマントが補正しきれなかったこと。今回のアプローチはフォルマント補正を一から見直し、かつ補正前の音も使うというもの。

 ボーカル音声のミキシングに「ダブリング」と呼ばれる手法がある。これは、ボーカルの別テイク(別の録音)を重ねるというもので、テイク毎の微妙な歌唱の違いで自然なコーラス感を出すことができる。一種の誤魔化しではあるのだが商品として流通している楽曲でも使われている手法であり、「ほどほど上手い歌唱」ほど味が出る可能性がある。

 Cubaseではpitchcorrectというピッチ及びフォルマント補正用VSTが使えるが、どうせならこのVSTを通した場合のボーカロイド歌唱音声と通さない場合のボーカロイド歌唱音声を別トラックで用意して、両トラックの音量バランスを変えて良い辺りを探してみよう。一本調子のつまらない歌唱スタイルにしたくない場合は試す価値は充分にあると思うよ。

 それぞれのトラックから良いとこ取りというのも一つの解だが、今回は補正済み音声をコアに、うっすらと補正前の音声を重ねてみた。もちろん、フォルマントはpitchcorrectでけっこう調整してある。2か所ほどはどうしようもなくて放置状態ではあるのだが。

2013/09/16

近況、十二度。

  • 理由は良く分からないのだが、今晩で「半沢直樹」が最終回と勝手に思い込んでいてアレって感じ。はたして100倍返しとなるか?そりゃなるよ、きっと。ちなみに私の次の代がいわゆる「最後のバブル入社組」、大量に採用したのは良いけれど入社時はバブル崩壊後というアレだ。
    「半沢直樹」は確かにフィクションに過ぎないけれど、「プチ半沢直樹状態」は真面目に働いている限り避けられない。私にとっての「半沢直樹」の面白さは、戦いが宣戦布告をもって明示的に繰り広げられることの一点に尽きる。

  • 会社の後輩から「××分野の本書いて下さいよ」と言われる。何故かと問うと「有名どころは皆古い」と言う。発電プラントからCPU冷却装置、水素燃焼から砂の沈殿、水洗トイレから河川、上下水道まで、出向経験なども手伝ってか手広く半可通なところが件の後輩曰く、「何でも知ってる風」なのだそうだ。

2013/09/15

2013/09/14 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 配信中なのにこんなの書いてるということはもはや観ていないということ、今回は「秋のアイドル祭り」ということでシンセ話には行きそうもないので、Cubase立ち上げてごそごそやっている。この文章も、ヘッドフォンをとっかえひっかえしながら自作曲のミックス具合を確認しつつ打っている。

 ガチで聞いちゃうと案外ミスに気付かないものだし、アイディアも煮詰まってしまう。仕事でもそうだけどチェック作業は頭をいったん切り替えてやった方が絶対効率が良い。極端な時は、自分の楽曲のミックスチェックなのに、バッググラウンドで全く別の楽曲を再生していたりする。今日買ってきたSONYのヘッドフォンがシャリ寄りだということが実に良く分かる…まぁまだエージングしてないからなぁ……

 昼間は小一時間ほど「ゆかどち」の「上澄みと沈殿」のボーカルオンリー音源と格闘。バックトラックはOMD風とか1度ずれてるだけでまんま「時かけ」とかPowerpuff Girlsの主題歌っぽいとか4、5種類の骨格は出来ているんだけど、如何せん歌詞の下ネタ部分を聞くとやる気がガックリ失せてしまう。世代の為せる業か、自分が下品だから下ネタと思ってしまうのか、あははははは。どうせ完成しないならいっそのことディレクトリごとデータは全部捨てちゃおうか…はい、データ消しちゃいました!

2013/09/14

とろいスマホユーザー

 東京出張時にひとつ気になったことがあった。環状線の乗客の乗り降りに要する時間が10年ほど前と較べて明らかに長くなっている。そこで色々と観察してみると何のことはない、スマホをいじっている人間の動き出し、移動速度ともに遅く、加えて先読みせずに移動するから周囲の人の流れを乱すばかり、ということだった。後ろで迷惑顔を隠さない人すらも見かけるほどのレベルなのである。要は「とろいスマホユーザー」の「迷惑行為」が原因のひとつということだ。

 正直、後ろから突き飛ばしてやりたい。スマホかばって顔面血だらけ手首複雑骨折とか、お馬鹿な結果になったりしそうで不安ではあるのだが。

 ここでの「とろい」は「気遣いがない、気がきかない」とほぼ等価の意味で、「できる人がそうすべき時にそうしないという怠慢状態」とも言い換えられる。「故あってできない人がしない状態」は指していないので念の為、逆に「スマートではない行動を取っている状態」という表現はジャストミートだ。

 翻って自分の周囲を見回すと、年齢に関わらず一目置いている人ほど未だガラケーユーザーである比率が高い。とある優秀な若手は「あんなもの何の役にも立たない!」と切って捨てる。個人的には画面内の情報量の少なさにうんざりで、iPad級の画面サイズでも使う気がうせる、調べものがある場合は、同時に使える画面は3つは欲しい。

 「色々と便利ですよ」と言う人もいるが、まぁ話を聞いてもどうもピンとこないというか…
  • 列車の時間とか直ぐに調べられますよ!→
    大事な列車の時間ならば事前に調べておく方がスマート、先読み能力のなさや怠惰さすら感じることがある。
  • TwitterとかFacebookとか何処でもOKですよ!→
    個人的には「一般人のツイート」の99%はノイズでしかないからTwitterなんかどうでも良い。Facebookも見に行くところ次第で、それでもそんなしょっちゅう覗かなくても良いのではないかと思うのだが。
  • Youtube動画とかその場で再生できたりして、話題のネタ振りにも使えますよ!→
    動画をその場で見せるんじゃなくて、どうせなら「相手にその動画を見たくさせる」話術を磨こう。「じゃっ、自分で探してみて!」は私の決まり文句だ。こういうネタ振りで止めておくと、翌日あたりに話相手側から「うれしい逆襲」を食らうこともあってむしろ話が広がるよ。
  • どこでもいつでも仕事の××が確認できます!→
    馬鹿野郎!それは業務機密だろうがっ!ブラウザのキャッシュも消せ!なにぃ!キャッシュの消し方を知らないだとぉ!!!!!!
  • 暇つぶしに重宝します!→
    私はもう人生折り返したから暇なんて無いよ。どう暇を無くすか/作るか、それがスマートだと思うけどねぇ。
「気がきかない人間」は会社ではまず伸びない。東大卒だろうがMIT卒だろうがケンブリッジ大卒だろうが伸びない、というのが経験則だ。東大の博士号を持っていても、5年で「気がきく工専卒」に追い抜かれてしまう。追い抜かれた側も追い抜いた側もスマホユーザーだが、後者から「スマホは便利」なんて言葉を聞いたことがない。追い抜く実力を持った人間には、スマホ経由で手に入る情報なんてほとんど役に立たない。むしろ情報を発信する側に既に立ちつつあるからだ。

 来年度に就活の人、「気がきかないヤツ」と思われたらもうそこでの採用はないよ。

 私が今のスマホに真に望む機能は、「スマートでないユーザーにスマートに振る舞うようリアルタイムにレコメンドする機能」だ。まぁ、そもそもあれらの何処をもって「スマート」フォンなのか未だにさっぱり理解できない、電話機能付きのただの小型インターネット端末じゃないか?

2013/09/13

近況、十一度。

  • 連日の実験立ち合いでへとへと。5:30起床、気温30℃の下で半日作業しっぱなしでは意識して水分を取っても全然トイレに行かないまま。実験結果が良いのが救い、うまく商売に繋がれば言うことなしなのだが。ちったぁ痩せるかもと思いつつも、こう夕食が遅いと元の木阿弥だよなぁ。明日が最終日。
  • 今週は夕食時間を使ってこれまで敢えて無視してきたダブステップ~ポストダブステップ曲の有名どころをネット上でチェック。個人的なツボはやっぱりドラムンベースとダブステップの境界辺り。一部の楽曲で女声ボーカルを結構ポスト処理していたのはちょっとした驚き。ボーカロイドを生っぽくしようとすると面白くなくなるのに、生を素のボーカロイドっぽく加工するとそれはそれで味が出てくるのは何故だろう?

2013/09/08

2013/09/07 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 U-stripでの視聴者数が800超えと多かった様で、番組としては何より。キラーコンテンツがより鮮明になってきたようです。かく言う私は観てませんでしたが…スウィートスポットがちょいと世間一般と違うんだなぁ、やっぱり。

”TOKYO ● 2020”

 2020年のオリンピック東京開催が決まった。善し悪しは問わないが、世界が日本の挙動を見る上で新たなモノサシが加わったのは確かだろう。

 オリンピック開催は発展途上国にとっては社会の安定、経済規模や社会インフラの充実をアピールする場であり、いわゆる先進国にあっては社会的な成熟度、特に近年においては多様性の受容度(例えば人種、性別、宗教などに対して差別がないこと)、環境保護への取り組みなどをデモンストレーションする場としての機能がある。つまり、「オリンピックの有様」は開催国の民度(あまり好きな言葉ではないが)、社会t的・思想的な課題などを浮き彫りにする側面がある。世界はオリンピック自体の成功/失敗だけを見ている訳ではないから、プロパガンダ(政治的宣伝)としての機能はもはや為政者の妄想の中にしかない。むしろ、オリンピック開催に伴う暗部をじっくりと観察されていると心しておく必要がある。

 東京開催決定には、「ちゃんと福島源発事故の対応、震災被災地の復興をやれよ」「震災復興への応援」というメッセージも含まれていると思う。2020年に日本は海外から当てられたモノサシに適う行動を取ったうえで堂々と胸を張れるか否か、テロ対策(防止には外交的スタンスも影響する、つまりソフト+ハードが求められる)も含めて宿題事項はけっこう一杯あるのだ。

 個人的には、「東京オリンピックの開催は平和あってのものである。日本は如何なる武力行使や戦争に対しても反対する。故に、今回は日本は具体的に××といった外交アプローチを取る。同盟国、関係国の協力と情報提供をお願いする」という態度、行動を今後の日本は取ってもいいとすら思っている。また、世界中の紛争地域で「東京オリンピック休戦」とか実現できないものだろうか。そういう「論理性のない休戦提案」を納得づくで受け入れられる人間とは以降も交渉できるはずだ。

 ちなみに福島原発事故対応に関しては、海外との情報共有を目的とした連絡事務所(リエゾンオフィス)がやっと開所準備に入った。余りに遅いとしか言いようがないが、まだ遅れを取り戻す余地は十分にある。

 開催決定後のインタビューに答える猪瀬東京知事の言葉のなかに「ファクト(事実)、エビデンス(具体的な証拠)が海外の方々には伝わる」という表現があった。それは国内向け、あらゆる分野でも本来あるべき姿だと個人的には思う。実のところこのような思考法は日本文化には根付いていないのだが、海外と伍していくには必須のものだ。故に、伝える側だけでなく、受け取る側もそのような思考法を身につける努力が必要になる。この力がなければ海外のモノサシを読むことすらできないし、読む立場の人間の背景によってモノサシの目盛も違うことが理解できない。

 日本の文化は文化として維持しつつ、あらたな思考法も身につける。何かを捨てる必要は全くないし、難しく考える必要もないと思う。

 ファクトとエビデンスに代表されるグローバルスタンダードな思考法と、日本文化に根差すまさに日本の美徳と呼べるもの。

 後者がいわゆるソフトパワーとしての威力を十分に発揮するためには、前者を持つことが必要だ。もし後者を誇りと思うならば、なおさら前者を鍛えよう。

 自らの歴史を「直視できない」とか「ねつ造しちゃう」云々は、前者に照らせば「ファクト」や「エビデンス」がないところでの主張なので論破可能なナンセンスに過ぎず、後者に照らせば「自らの文化に誇るべきものが見つからない」ということなんじゃないだろうか。こういう見方に薄々感づいている人も多いと思うけど、それを「他人に説明できるレベルまでに具体的に言語化」する作業も前者の要求するところなのだ。

 TPPへの参加も同様だろうと思う。TPPの交渉の席は前者に基づく闘技場のようなもので、前者のルールを知らなければ戦うことすらできない。が、争われる内容は後者に相当する国内事情に基づく自国の利益確保だ。後者剥きだしでは議題を交渉のテーブルに乗せることもできないだろう。まぁ、ゲームに確実に勝つ方法のひとつは「ルールを変える」ことだが、武力行使を除けばそれこそ前者の達人にしかできない芸当だろうね。

2013/09/05

近況、十度。

  • 報告書1本がなかなか上げられない。最盛期は1週間で3本上げていたことを思うと、体調はまだ以前に戻ったとは言えないということか。今の状態を新しいデフォルトと割り切る方法もあるが、まだそこまでいけない。とにかく職場の後輩にギャフンと言わされたい、どうせなら引導を渡してくれないか。

  • 「宇宙戦艦ヤマト2199」の次の(最後の)DVD/Blu-rayリリースが1ヶ月後ろ倒しになったが、これはつまりTV放送が完全に先行するということだ。TV放送を観ている同僚に確認したところではもう明らかに追いつかれている。キャラや絵で観ている訳ではないから単にリリースを待つだけなのだが、先のヴォリュームでもあの流通量とあっては、いつものようにリリースされた後にふらりと入った店舗で購入、というスタイルではBlu-rayは入手できないかも知れない。何れにしても最後はきっちり決めて欲しいものだ。期待薄ではあるんだけどね。

  • 「トップをねらえ!」「エヴァ」の功罪のひとつは「作品自体のオリジナル無しで良し」とする製作姿勢の肯定なのだが、要所要所に思わず唸るような捻りが加えられていたり、大抵は引用としての機能しか与えられていない。ここで引用としての機能とは、あくまでオリジナルはオリジナルとした上で作品に取り込んでいるということで、他の方法で代替可能であるにも関わらず「積極的にそれをやる」ということである。代替可能でなければ引用ではなくパクりに過ぎず、作品の世界観と不可分となればオリジナリティやクリエイティビティに関わるゆゆしき問題だ。
    まぁ、「儲かれば何でもあり」というのは絶対的に正しいし、儲かる時点でその作品には存在価値がある、がだ。
    「ガルパン」なんて、自衛隊の総合火力演習の観覧希望者が今年はどっと増えた、という報道から知ったぐらいだから、最近の(深夜)アニメなんかにはさっぱり疎い。今日同僚から「うぽって!!」という作品があることを初めて聞き、内容について更に聞いたところ銃器に基づくキャラ設定に何の捻りもないようで、ネガティブな意味で唸ってしまった。
    帰宅後Youtubeで「うぽって!!」のPVを何本か観たのだが、「銃を撃つときにちゃんと両目を開けてくれていて」ちょっとほっとした。絵面はもう想像通りの今時のフォーマットに忠実で、もうオヤジな俺には他作品とキャラの見分けがつかない。そういう作品に金銭が投入されるという状況はまだ多少面白いが、作品が面白い理由が思いつけない。「展開が読めるもの」しか楽しめないとなると、少なくとも観る側の力量が下がってることになるよねぇ…頭固いんじゃないのとか、負のスパイラルで製作側と視聴側の力量が交互に下がっていくんじゃないかとか、マジ心配。
    来年の採用面接ではこの辺りを学生にネタ振りしてみるか?俺にとっての正解は秘密だ。

  • 愛車の車検が近い。故障したトルクセンサを交換してからは走りはすこぶる快調で、ハイオクとは言え通勤渋滞に毎日巻き込まれつつ燃費17.6km/?は立派、10・15モードのカタログ値より実際の燃費の方が良いんだもの。
    愛車はオートマチックモード付きのクラッチレス5速MT、つまり「車載コンピュータが変速しても大丈夫(トルクが足りる)と判断する限り」はシフトアップ/ダウンがマニュアルで可能だ。トルクバンドの下限が1200回転ぐらいだから、街中では流れに合わせるとき以外は2000回転すら超えない運転も可能だ。まぁ、そもそも回して楽しいエンジンじゃない。が、1200~2500回転域でのアクセルレスポンスの良さはピカイチだよ。
    ちなみにフランス車の購入を考えてる人は必ず燃費を確認しよう。フランスでは排気量で納税額が決まるから、排気量を抑えた高回転型のエンジンが多いようだ。シトロエンなんかは燃費以外はほとんど満点なんだけど、実力燃費6km/?なんて話をオーナーから聞くとねぇ…。

2013/09/03

リビジョンアップ:時をかける少女 feat. Vocaloid3 Megpoid Native

 エントリタイトルの通りリビジョンを0から1へアップ、ステップバイステップでおそらく3までぐらいは行くと思われますデス。

 Megpoidユーザーで「あら、聞いてみたら意外に良いんじゃない」と思ったレベルの方は1ヶ月に一度くらいはここを覗いてみてくださいな、私のMegpoid理解はまだまだ道半ばだし、Tipsみたいなものはのっそり上げてくつもりだから。あと、私と同様に「うっかり/腹をくくってCubase買っちゃったけど使い方が良く分かんねぇ」って方もご一考下さいな。

 自分と同じ苦労を他人がするかも、という状況はつまんないもんね、少なくとも私にとっては。

で、

てな感じ。あはは、一日寝かせて聞き返してみるとアラだらけで自分でも笑っちゃう。聞いてみて、「けっ」と思ったり実際に口にしてしまった方は、以降は読まなくて無問題。もっとレベルの高いところを読みに行こう。

 実のところ、私は他人のボーカロイド曲はほぼ聞かないし、聞くにしてもまず真ん中あたりしか聞かない。理由は三つあって、①音程とかボーカロイドエディターの外でいじり過ぎていて、どれも同じにしか聞こえなくて面白くない場合が多々ある、②おそらく製作者の完成イメージにボーカロイド歌唱(?)が追いついていないせいで、オケに埋もれちゃうぐらいボーカロイドの音量が小さいか、リバーブ(エコー効果みたいなもの)を利かせ過ぎてやはり面白くない場合がある、③言わぬが華、だ。さらに加えると、少なくとも使用楽曲を聞く限り、メジャーどころの「初音ミク」の声にさっぱり魅力を感じない、ということも大きい。

 何れにしても、自作においては基本的に①②は禁じ手としている。もちろん「リバーブ必須」というジャンルの楽曲の場合は別だ。

 「でも上の楽曲ではボーカロイド音声にリバーブかかってるじゃないか!」と思った方は正しい。じゃぁ何処で自分の中で折り合いを付けているかというと、「中央のボーカロイド音声自体にはリバーブを全く利かせない」というところだ。

 ボーカロイド音声に関わる具体的なリバーブの使い方は以下の通りだ。Cubase固有かも知れない用語も含むとは思うけど、まぁ許して欲しい。繰り返しになるけど、下記の内容が用語も含めてスッと頭に入ってこない方は、今後このブログを「たま~に」チェックすると良いことがあるかもしれない。と言うか、私自身が大したレベルじゃないから初心者相手が精一杯ですよ。

  • ボーカロイド音声は中央に配置。これ自体にはイコライザーとコンプレッサーしか利かせていない。

  • 中央のボーカロイド音声を二つのFXトラックに送る。これらFXトラックではリバーブを利かせ、かつ出力はリバーブ成分だけとする。これはMixパラメータが100%ということで、あくまで原音は中央からしか出さないということだ。
    さらにFXトラックの定位をそれぞれ左右100%とした上で、10ms(ミリ秒)程度の時間差が左右で出る設定でシンプルなディレイを利かせる。上の楽曲でのディレイ時間は左右で530msと545msだ。

  • ミックスダウン(最終的な音声データのエクスポート)時に、出力全体にほんのちょっとだけリバーブを利かせる。オケとボーカロイド音声の馴染みを意図したもので、上の楽曲ではプレートリバーブ(というハードウェア)をシミュレートした設定で、Mixパラメータは2%とした。つまり98%は原音のままということだ。ここでMixパラメータはを4%以上とすると②に抵触してしまい、誤魔化し感が出て面白くない楽曲となっちゃう。

ちなみにCubaseにはボーカロイド音声の音程やタイミングなどを調整できるツール群がある。便利なツール達だが現時点ではまだ使わず、ボーカロイドエディター上で何処まで詰められるかがあくまで主眼だ。とは言え、タイミングは1ヶ所(ボーカロイドエディターにまで戻るのが面倒臭いから)、フォルマントも1ヶ所調整せざるを得なかった。この辺りの具体的な内容はそのうち書く予定なので、気になる方は2週間後ぐらいにまた来てね。

 今回はここまで。

2013/09/01

2013/08/31 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 「第2回ビジネス教習所」講師は「バカでも年収1000万円」が16万部突破のバカリーマン日本代表(らしい)伊藤喜之さん。

 言うことが面白いっつーか、正しい。言うだけでなくてその通り振る舞うという一点だけでも十分凄いが、当然当人はもっと凄い。お話のポイントは、
  • 「っぽい」ことが大事。同じことを言っても、やっても、「っぽい」方が、っつかーか「っぽい」ことで説得力が増しちゃう。「っぽく」なければ相手にされないとか、ゼロになり得る訳だ。
  • 「異端児である」こととか、「ズラす」ことが大事。要は、比較対象がなければ収入は当人が決められるし、既存のカテゴリーからズレた(当てはまらない)商品の値段も売る側で決められる。
  • 「フェラーリ理論」は正しい。まず自分から騙そう。夢は持つんじゃなくて、夢がかなったらのifで行動しちゃおう。ちなみに伊藤さんはランボルギーニ買っちゃたそうだ、「奇跡」に出会ったらGOしかない。
とか。個人的には、
  • 成功の糸は木曜日に降りてくる。
はかなり正しい。おそらく、水曜日までで脳が疲れちゃって、木曜日辺りで変な脳内配線が発生し始めちゃう気がする。途中すっ飛ばしてスタートがゴールと直接繋がっちゃうとか、しかもそれが正しかったとか。金曜日はもう脳がもう休んじゃってるんで、とにかく手を動かすことが多いんだわさ。

 ゲストお二人目は声優、諏訪彩花さん。まぁ内容は良い意味でぐだぐだだけど面白い雑談だったのだが、最後の最後で「やっぱり声のプロだなぁ」という展開、うむむ。

 と、いったんエントリを上げたんだけどエンディング直前に衝撃展開。

 inktransさん版Dear Radio没テイク!


時をかける少女 feat. Vocaloid3 Megpoid Native

 いわゆる「時かけ」、あらためて歌詞を噛みしめながら聞くと実に切ない。映画自体は監督が大林宣彦氏だとか一部の俳優の演技に難ありだとか、まぁ色々あるのだが、捨て置けない作品ではある。原田知世さんのセリフ、

 「んも~、意地悪ゴロちゃん!」

は最高なのである。「ゴロちゃん」ではない自分だって言われたいのである。さらに「桃栗三年、柿八年、柚子は九年で成り下がる、梨の馬鹿めは十八年」というフレーズは未だ覚えているのである。とは言え、

 「土曜日の実験室~!」

というセリフは、やはり大林作品「ねらわれた学園」の

 「私は宇宙!」

には破壊力で及ばない。が、破壊する対象が映画自体だからこれは良いことだ。

 さて、オケであるが、もともとのコンセプトはカイリー・ミノーグの「ロコーモーション(1988)」風を当時自分が持っていた機材のシミュレーションでやろうと。機材と言うのはCASIOのポップキーボードSK-1とHT-700だ。幸い、SK-1のドラム音はネットからサンプル音を入手でき、またネット上に公開されているHT-700をシミュレートしたVSTi "plastique"が素晴らしい出来で、オケ自体の出来上がりがしょぼい原因の全ては自分にあるとしか言いようがない。

 が、ベース、ドラムを一旦組んだ時点でベースにディレイをかけてみたところから軌道は大きく外れ、「ロコモーション」からは実に遠いものになってしまった。しかも、イントロらしきイントロは無く、最後はフェードアウトという淡白さと相成った。

 ま、志が低いんだからしょうがない。

 で、肝心のMegpoid Nativeだが、なにせSONiKAが基準だから文句の付けようが基本的にはない。今回もボーカロイドエディターのほぼデフォルト設定で編集したものをwaveファイルでエクスポート、DAW上ではビブラートの振幅を一部小さくしただけなので、リバーブを外せばほぼボーカロイドエディターで聞ける音と同じだ。個人的にはボーカロイドなんてのはただのインストゥルメント(まぁ言えば楽器)だから、ブレスなんて入れようなんて思いもしない。

 原田さんのオリジナルを記憶の隅っこに置きつつも、ボーカルのメロディーラインはとある女友達のカラオケ歌唱時のものをなぞっている。第2コーラスの「宇宙の海よ~」あたりの節回しにはちょっと癖があるのではないかと思う。ちなみに松任谷由美さんのバージョンは未だ聞いたことがない。

 しかしながら、ボーカロイドも漠然と打ち込んだ訳ではないので、少し気にした部分にも触れておこう。ボーカロイドの歌い出しに違和感を感じたことのある人は試してみて欲しい。

 実際に人間が歌ったボーカルラインを調べてみると、歌い出しから音程がぴったり合っている例はまれだ(調べた範囲ではザ・ピーナッツはほとんど外していない)。じゃあボーカロイドではどうなっているかと言うと、少なくとも今回打ち込んだMegpoid Nativeでは、音程が高い方から入って歌い出しの本来の音程へと至る。他方、絶対音感が無くて正しい音程を探しながら歌っている人間の場合、ほぼ例外なく音程が低い方から入って歌い出しの本来の音程へと至る。だから、少なくとも他人のカラオケ歌唱の記憶と一致する「正しい音程を探しながらの歌い出し」を再現するには、歌い出しの最初の音程は実際より低い音程から入った方が良いことになる。

 そこで今回は、歌い出しの一拍前に1オクターブ低いダミー音をエディター上で入れてみた。ここでダミー音は発音される必要はなく、「発音できない発音記号」を適当に入力しておけば良い。これにより見事に歌い出しは低い音程からとなった。「正しい音程」へ向かう速度は歌唱法の設定やダミー音との距離に依存するから多少の試行錯誤は必要だけど、前述の「歌い出しの違和感」の解消には有効だと思う。

 ちなみに「あ」「ゆ」「な」「た」はMegpoid Nativeの鬼門だということが良く分かった。これは発音が不明瞭で音量も小さくなる傾向があるため、違和感の原因になり易いという意味だ。「時かけ」の歌い出しは第1コーラスが「あなた」、第2コーラスが「ゆ」で実は鬼門直撃なのだが、実際どうなのか気になる人は聞いてみて下さいな。

 ボーカロイドの音声データをいじるのはこれからですからね。